第20話
お昼は『海の家』でバーベキューが出来るようになっているので、そこでバーベキューをすることになっていた。食材は予約しておくと『海の家』が予算や人数に合わせて用意してくれている。
2時間くらい海で泳いだり、ビーチボールで遊んだりしてお腹がすっかり減ってきたので、いよいよバーベキューだ。
バーベキューが出来る場所は海から歩いてすぐ近くにあり、木陰もありテーブルやベンチなども置いてありちょっとしたキャンプ気分が味わえる所だった。
男子達が炭を組んで着火剤で火をつけ始めたので女子達は肉や野菜を取りに行った。
係の人がクーラーボックスを用意してくれてその中に肉や野菜を入れてくれた。肉や野菜は食べられる大きさに切って用意されていた。
女子達が戻ってみたら、悠人がうちわで仰ぎながら炭に風を送っている。
「もう少し、炭が燃えるまで待った方がいいな」と部長が言った。
女子達はテーブルに紙皿や紙コップ、割りばしなどを並べていき、焼肉のたれ、ペットボトルの麦茶やジュースを置いていった。それぞれ紙コップに思い思いの飲み物を注いで渇いた喉を潤しながら待っていた。
「もうそろそろいいんじゃない?」
の部長の一声で網の上に肉や野菜を乗せて焼き始めることにした。
男子4人が焼き始めてくれたので、女子4人はベンチに座って「お肉まだ~」なんて言いながら待っていた。
彩と美玖は待っているのが落ち着かず、立ち上がって手伝おうとすると由紀が
「今日は私達は何もしなくていいのよ、ねぇ部長」と部長に向かってウィンクした。
「任せろ」と部長はガッツポーズをした。
他の男子も「ここは俺達に任せなさい」など口々に言いながら楽しそうに焼いているので、彩と美玖も(まぁ、いいか)と顔を見合わせて待つことにした。
「美味しかった~」
「食べ過ぎた~」
みんな思い思いにしっかり食べて満足だった。
片づけを済ませ、木陰の下でベンチに横になったりして休んだ後は
「最後にもうひと泳ぎして帰ろう」と言う部長の合図で、みんなで海に向かって走っていった。
ここ最近、アナウンスの練習ばかりでうんざりしていた彩だがこの一日でリフレッシュできた。頑張る意欲が湧いてきた気がした。
又、放送部の仲間意識が高まり結束できた気がして彩は嬉しかった。
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