第一話 後編 猫系女子?

彼女の手をつかめたまでは良かった。彼女の手を掴んだその直後彼女が落ちる勢いで下に引きずられそうだったが、なんとか踏ん張ることが出来た。

 しかし、その時、腕をぶつけた為彼女の手を掴んでいられる時間もそう長くない

「離して」と震える手で言われても話す気にはなれない元から関わってしまった時点でほっておくことはできない。

「ここで離したら僕が殺したも同然じゃないか」

(くそ、腕がもうあんまり持たない)

「と、とりあえず、上に上がって来てください。何があったかは、知らないですけど良ければ僕が力になります」


「どうして私のためにここまでするの? 」彼女は今にも泣きそうな目で聞いてきた。

 ここで何か納得させられることを言わなければ、、、いや、それだけじゃ足りない何か彼女を肯定するようなことを言わなければ彼女は少なくとも上がってくる気にはならないだろう。

 正直自分でもどうして彼女を助けようとしているのかもわからないけど、そこに理由なんていらないと思う、ただ飛び降りる前の彼女の目は以前の自分と同じような目をしていた。

 そう思った僕は素直に思ったことをそのまま言うことにした。

「誰かを助けるのに理由なんいらないと思う、それと君の目が以前の僕に似ていたから」

「私は、生きていていのかな? 」そう聞いてくる彼女に対して僕は迷わず「もちろん」と答えた。


 すると彼女は僕の手をしっかり掴み上えと上がってきた。

 彼女が何を思い上に上がって来たのかは分からないが、そこには深い事情があるんだろう。

 彼女を上にあげた僕はしばらく二人で屋上に座っていたそれかららの彼女は、おどおどして落ち着きが無い様に見えたがすぐに落ち着き素っ気なくなった。

(さっきとはまるで別人だな)そう思っていると彼女から話を振ってきた。

「まる、、、無い」声が小さかったため聞き取れず「済まない、聞き取れなかったもう一回言ってくれ」というと

「泊まるとこ無い」と言った。


 これが僕と彼女の出会いだ。

 彼女の名は夏宮 凛夏(なつみやりんか)だそうだ。

 あれから彼女は既に2ヶ月ほど僕の家でずっと暮らしているのだが一つ言えることがある。

「滅茶苦茶可愛い」そう一人部屋で、呟いていたのだが突然部屋に入ってきた凜夏が「誰が? 」と聞いてきた。

「別に誰でもねーよ」

「まさか、優君が他の女と、、、」

「違うって」とこんな感じに普段は嫉妬深いのか少しめんどくさいところもあるのだが、家事などもできて気遣いもできるため普通の男子ならいちころだ。

 しかし、彼女は学校では大人しく、目立たないこうして家では存在感あふれているのに


「ご飯の準備できたよ」

「わかった」

 食卓にはカレーライスが二人分並んでいた。

 さっそく手を合わせ「いただきます」と言うと一口食べる。

「美味しい」と声を上げるくらい彼女の料理はおいしい

「ほんと? うれしい」とほほ笑む凜夏がまたかわいい

 普段は素っ気ないが褒めたりすると少し微笑んで照れ隠しするのは完全に堕としにきている。これが俗に言う猫系女子なのでは?

 そんなことを考えながらカレーライスをぺろりと平らげる。


 やっぱり猫ってかわいいよな何思ったのか「猫飼いたいな」そう口に出してしまった一言に何故か凜夏はぴくッと反応する

「そ、それじゃあ、、、わたしを飼ってみる? 」とんでも発言をしてきた。

 言葉の意味を理解できなかった僕は「な、なんて言った? 」もう一度聞き返すが、「私を飼ってみる?」と言いどこからか取り出した猫耳の付いたカチューシャを頭に付けていて両手は猫の手のポーズをしていた。

 か、可愛い

「り、凜夏は別に猫じゃないだろ? 」

「じゃあ今から優君の専用猫になろうかにゃん?」と甘い声で迫ってきたこれはもう立派なオタク殺しだ。

「じ、じゃあ僕勉強するから」とそそくさ自分の部屋に戻った。

「と、とりあえず落ち付こう」心臓にとても悪い特にオタクの僕にとって

 その日は勉強を一時間ほどし、早く寝ることにしたが早く寝すぎなのかなかなか寝れないまま次の日を迎えた。

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