ずっと思ってたんだが雪見風呂に入ってみたくないか?

ふつれ

ずっと思ってたんだが、雪見風呂に入ってみたくないか?

雪だ!!!!!


今日は今シーズン初の積雪ですよ!


何だかんだ雪が積もったところそんなに見たことないんでテンション上がりますね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(過剰なビックリマーク)














ふぅ……はぁ(深呼吸)



すみません、ついつい取り乱しました。気を取り直して。

さて皆さん、雪と言ったら何を思い浮かべますか?



はい、そう、そこの人!



うんうん、そうですね。

そう、雪見露天風呂です!

(こんなこと書いてるけどどうせ誰も読まないんですよね、こんな記事)



裸で感じる冬の外の寒さ。だがそれが故より感じられる湯船の温かさ。

湯気で煙る視界の向こうに見えるは、雪化粧した木々や岩々。

いつもと違う装いには非日常という名の風情があります。



そうして隣の女湯からは気になるあの子が立てる水音が聞こえてきて。

ドキドキと高鳴る胸。火照る身体は風呂のせいかはたまた違う何かのせいか。

一時の気の迷いで浴場の壁をよじ登ってみると――――



とまあ、こんな感じに。後半のほうはさて置いておくにしても、雪見風呂にはそりゃもうロマンがありますよね。



かく言う僕も昔に漫画で読んでから一回やってみたいなぁと無限に思い続けていたわけです。



それなら雪降る地域の温泉に行けば良いじゃないかというツッコミもあるかと思いますが、このご時世そう簡単に行けるものでもありませんしね。



そんな折り。今日はなんと、僕の住処のあたりじゃ雪が積もったじゃないですか。

これはもうやるしかない。

残念ながら独り身なので女の子は用意できませんが、それ以外なら用意できるかもしれません。



というわけで、思いつきで露天風呂作りをやっていきたいと思います!!

今日の記事はそういう趣旨です。








〈手順〉

①なんかお湯を張るのに手頃な入れ物を持ってくる。

②水を入れる。

③火を焚いて温めて完成!



これで行きましょう。

あ、ちなみに風呂は、僕の住処の前のそこの通りに置きます。

大丈夫大丈夫。どうせこんな通り誰も通らないんで心配いらないです。もし通ったら、それはそのとき考えましょう。……大事件ですね。



というわけで近所を歩き回って手頃な入れ物を探します。



雪の中歩くのは最悪ですが、この後寒さを堪え忍んだ先に風呂があるんだと思うと全然イケます。

もうね、風呂なんてそんな入らないですからね。五ヶ月くらい入ってないんじゃないですか?オタクの皆さんはもっと頻繁に入ったほうが健康に良いですよ。



さてさて、そんなこんなで三つくらい湯船候補を見つけてきたんで一緒に見ていきましょうか。



①ドラム缶

人一人が入るのにめちゃ手頃なサイズのドラム缶が、何故かちょうどそこの空き地に落ちてました。もうこれで良いんじゃないかな。



②コンビニのアイスの冷蔵庫

よくあるユニットバスにもっとも近い形なんじゃないでしょうか。本来冷やす目的のものの中で温まるのもオツかもしれません。



③ビニールプール

水を溜めてそこに人が入るというのは本来の用途。ただ水深が浅いし、火に耐えられるのかというと……



――――はい、迷う余地なく①ですね。湯船にするのはドラム缶にします。

転がして住処まで運んでこれますしね。



運んできたドラム缶を、隙間を空けて並べた石の上に載せます。この隙間は後で火を焚くために使いましょう。



では今度は、ドラム缶に水を入れます。

しかしそうは言っても簡単じゃないですね。

当然ながら水道なんてものは繋がっていませんし。どこかから運んで来なくてはいけません。




でもダイジョーブ!!!(デカ声)




今周りには雪が大量にありますから。

こいつらをかき集めてドラム缶の中に入れればよいです。

というわけで、せっせと入れていきます。



めっっちゃ手が悴みますね。スマホが打てん。

というか、スマホの充電がだいぶヤバいことに気づきました。昨日から曇りだったので充電する機会なかったんですよね。それに寒いとバッテリーの持ち悪くなるって言うし……



最後まで作業が記録できないのは嫌なので、急ピッチで進めていきます。



雪集め開始から数十分で、みごとドラム缶一杯の雪をかき集めてきました。

溶けたら嵩が減るかもしれませんが、都度都度注ぎ足していくことにします。



次はいよいよ火を焚きましょう!!



火というのはね、人間の原初的な欲求が刺激されてこれまたテンションが上がりますよね。



残念ながら、雪のせいでその辺に落ちている枝は湿気っているため、薪として利用することはできません。

仕方ないので、もしものときのために住処にストックしてあった分を使ってしまうことにします。



ちゃんと空気が入るように隙間を空けて薪を組んで、火を付けます。

マッチも残り数本なのでミスれなくてドキドキしますね。



無事に火を起こすことができて、あとは雪が溶けて湯が沸くまでひたすら火の管理と雪の注ぎ足しです。

特に変わったことは起こらなかったので、スマホの充電のためにも省略して。

日が落ちた頃――



ついにドラム缶風呂in雪景色が完成しました~~~~!!!



いや~、この量の真水を見るの久々すぎてドキドキしますね!!!!!!!

アレ以来、都市機能が麻痺してしまって水道も電気もガスも全く来ていませんから。



これだけの水があれば一週間は生きられるだろうな~と思うと、湯船として消費してしまうのには勿体なさも感じてしまいますが。いやしかし。

今日は初めから風呂に入るためにここまでやってきたわけですからね。今更ためらっても仕方ありません。



えいや!と服を脱いで。寒い寒いと震えながら。

さっとドラム缶の中に飛び込みます。



あっっっっっっっっっっっっったけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!



さっきまで極寒の中で作業していましたから余計に温かく感じますよ!

五ヶ月ぶりの風呂最the高。



雲間から差し込んできた月光が、一面の銀世界を浮かび上がらせます。



いや、マジで人っ子一人いないですね。

僕以外の足跡がない。



まあもう生存者は、今までにもたくさん探してきましたからねぇ。もう本当にいないんでしょう。きっと。



初めの頃は、ここ辺り一帯がダメでも、きっと他から救助が来ると思っていたんですがね……

待てども待てどもそれがないということは、今後も望めなそうです。



もう食料も尽きたし、さっき薪も尽きたし。疲れたし、この辺で僕もお暇しましょうかね。



いやでも、最後にこんな良い景色を独り占めできて、案外悪くないかもしれないですよ。最後の晩餐、風呂ver.







はい、というわけで。皆さん。

また、来世で(まあもう人の世は終わりなんで、生まれ変わるならきっとよく分かんない生命体になっているんでしょうが)、来世でお会いしましょう!!




ばいばい!


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