自分を一般人だと思いたい女子高生

@sakakiuraotu

第1話

 おはようございます。皆さんは起きたらまず何が見えますか?

 私はこの世ならざるものが見えます。

『おはよぉ゛ぉ゛ー』

 ぜぇぇぇったいに返事なんて返さない。

 いつぐらいだっただろうか・・・・・・私はある日突然、いわゆる幽霊系なものが見えるようになった。

 しかも絶対に良くないもの系の。

 見えるようになってからは私の日々は変わった。

 だって、化け物達がそこら中にいるから。

 ゴミ捨て場から生えている手とか頭だったり、長い三つ首を揺らしてる人の顔だったり。

 八本の手が生えた蜘蛛みたいなやつとか、異形のものが色々見えてしまう。

 今は人間の性なのか、ある程度はリアクションをしないくらいには慣れた。

 内心はすーーーんごい怖いけどねっ!?

 ビジュアルが非常に、心労的によろしくない。

 けど、朝はやってくる。

 明けない夜はないのだ。

「起きたか? 早く準備しないと遅刻するぞー」

「ふぁ~起きますか~」

 私は部屋を借りて友人と二人で暮らしている。

 朝の支度をして、玄関に立つ。

 靴を履くと、後ろからいつも同じく声が背中を押してくれる。

「ほれ。今日の弁当じゃ」

「ありがと。それじゃ行ってきまーす」

「うむ。行ってらっしゃい。気をつけるのじゃぞー」

「うぃー」

「さて、あやつもいったことだし・・・・・・部屋の掃除をするかの」

 ・・・・・・

「ほれ、いった、いった! ここはお主達の居る場所じゃないぞー!」

『う"ぇ"あ"ぁぁー』

 できるなら何も見えないでほしい。

 私は普通に日常を過ごしたい。

 でも色々見えるようになって一ついいことはあった。

 狐耳と尻尾が生えたモッフモフの友達に出逢えたこと。

 それは私にとってかけがえのない宝物だ。


 

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