リバースプレイインググラビティ 『重力は逆さだし、戦闘はじゃんけんで決まっちゃうけど、頑張って生活しています!』

!~よたみてい書

【1話 ヘビに睨まれたカエル】

 カエルは正面のヘビをじっと見つめた。


(この敵はどう動くかな?)


 ヘビも頭を少し上げて、正面のカエルを見下ろす。


(この餌はどういう動きをするのだろうか?)


 周囲に何もない空中で一匹のカエルとヘビが睨み合っていた。


 カエルは約三センチメートル程の全長で、背中は黄緑色をして、腹部は白い。


 ヘビの方は全長が約百七十センチメートルで、体の側面に黒色の縞模様しまもようが首から尻尾まで真っすぐ伸びている。


 二匹は互いに見つめ合ったまま体を固めさせ、十分ほど時間が過ぎていった。


 そして、カエルはヘビを見つめながら瞬きをする。


(逃げる? それとも攻撃する?)


 ヘビもカエルを見つめながら細長い舌を出し入れした。


(攻撃するか? いや、確実に仕留めれる隙を見せるまで、もう少し待つか? ……いいや、もう待てない、この鋭い牙で一撃だ!)


 首を伸ばしてカエルに嚙みつこうと襲い掛かるヘビ。


 カエルは静かにじっとヘビを見つめ続ける。


(噛んでくる? ぶつかってくる? どっちだろう、逃げた方がいいかな? いや、ここは攻めるべき! 噛みついてやるぅ!)


 口を上下に開けて二本の鋭い牙を見せるヘビ。


 一方、カエルもヘビに向かって口を開けながら空を素早く飛んでいく。


 それから、ヘビもカエルの体に牙を差し込もうとするが、弾かれてしまう。


(づぅあっスネ!)


(ぐぁっぺフロ!)


 二匹は互いに反発するように吹き飛んでいき、体を回転させながら空中を移動していく。


 そして、カエルとヘビの間には十メートル程の距離が出来上がる。


 また、二匹から遠く離れた場所でも、騒がしい音を空中に響かせていく存在がたくさんいた。

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