　互いに自室に籠る時間が増え、そんな時には、各自、お気に入りの過去の映画を見ていた。

　その時になって初めて気付いたが、マディがよく見ていた映画の憧れカップルの新居には木目調の家具が配置されていた。

　一方、ウィリーの見ていた映画では、子供の可愛い時期を自宅で育てている夫婦の自然体な暮らしが印象的だった。

「やっぱり、考えてみたら、木目調の家具って、時を重ねても味が有って良いかも知れないわね！」

　久しぶりに出たマディの言葉が、ウィリーが希望していた木目調の家具についての賛成意見だった。

「この前はあんな事を言ったけど、自宅育児は、楽しい時間を沢山共有出来るという素晴らしさが有るね！」

　自宅育児をマディの望み通りに実現させられるよう、ウィリーが提案すると、2人は見つめ合った。

「木目調の家具に囲まれて、私達、誰にも真似出来ないような充実した育児時間を満喫しましょう！」

　婚前恋愛に至るまで2か月という猶予期間を使い切らず、2人は婚姻省に申し出て結婚した。

　婚前恋愛期間中に、衝突していた2人には、多少の言い争いも深い溝を作る事無く、いつの間にか、お互い笑顔に戻っていた。

　そして、仲睦まじく新婚生活を謳歌しているうちに、1人目の受胎を迎えた。

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