ずっと向こうから待っていたよ
ゆりえる
第1話 出番を待つ長蛇の列
天上には、今か今かと出番を待ち侘びている魂達が、いつも長蛇の列を作っている。
並んでいる順番通り、地上に降下する魂がほとんどだが、せっかく先頭に来たものの、なかなか降下出来ない魂が、たまに見られた。
「おや、君はさっきからずっと待機しているね」
神様は、早く降下したくてしびれを切らしているような魂に語りかけた。
「もうとっくに私の番だというのに!後から来た魂達も、私を追い抜いてどんどん降下しているのに、どうして、私はまだなの?」
ごく稀だが、下界の需要が無くなり、消滅する魂も有り、自分がそうなる運命なのか気が気でなかった。
「随分と待たせるね。きっと、親御さん達には、それなりの事情が有るんだろうね。どれどれ、様子を見て来るとするか」
神様が、雲のフェンスから身を乗り出し、下界を見下ろした。
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