厄介でも上手く付き合っていこうね

ゆりえる

第1話 厄介な肌質

「何それ......?ひどいな、アトピー?」


 転職して半年経過し、少しずつ仕事にも慣れて来た頃、話した事も無かった別部署の男性が私の首元を見て発した言葉で、今まで話した事が無かった異性から見ても憐れまれる状態だったと気付かされた。

 前日のお祭りのお手伝いで、炎天下で数時間、浴衣で踊っていて、日光湿疹とアセモで痒くて掻いた痕だった。

 

 この体質......


6年前、高校3年生の3月にも悩まされていたのを思い出した。

 化粧品会社の主催の化粧教室で、それまで化粧の経験が無かった私は、ただ友達が多く座っていたからという理由で選んだ〇〇堂の化粧品が合わず、化粧を落とした後も2週間くらい顔が赤く腫れ痒くなっていた。


 その時から、薄々気付いてはいたが、普通肌だと思い込んでいた自分は、実は、かなりの敏感肌だったらしい。


 幼少期までの発症例の多いはずのアセモも、大人以降も猛暑期間はずっと続き、合成洗剤で手の甲も指もひび割れて血まみれになり、何の食材が合わないのかその時その時で違うのだが、食後に全身痒くなる時も有り、もちろん、ストレスでも痒くなるが、塩素や水圧にも弱く、毎回ではないが、全身が蕁麻疹に覆われる時も有り、蚊に刺されると患部に1.5㎝くらいの水疱が出来て気持ち悪がられるばかりでなく、治りも遅く1か月くらい痒さに悩まされる。


 使える洗剤や石鹸は無添加に限られ、当然、高価で、安売りの対象商品になる事は無いから、丈夫な肌質の夫からは理解され難く、贅沢に思われる。


 静電気が起きやすい体質なのも有るが、インナーや下着は綿でないと痛痒くて着られない。

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