神様との会話
ゆりえる
第1話 2月の晴れた休日に
青空にストライプ状に雲が連なる2月の第2日曜日、早朝の北風が徐々に南向きに変わりつつあり、例年より早目だが春一番が観測されそうな暖かさ。
こんな素敵な日は、神様と会話しに行くのに持って来いではないか!
寝起き時は、まだ睡魔に雁字搦めだった磯部
pm2.5や花粉による喉のイガイガをうがいで落としてから、顔を洗った。
花粉症とまではいかないが、時折、目の周りが痛痒く感じる時が有り、今朝はそんな日だった。
昨夕炊き保温にしていた残りご飯を素早く食べ、一張羅のスーツにコートを重ね、マスクで顎まで覆い、背筋を伸ばして歩き出した。
神社までは、電車を利用すると徒歩も含め20分足らずの距離だが、満開に近い梅も見られるこの季節に加え、この爽やかな陽気ならば、1時間かかっても歩く方を選んだ征嗣。
梅の開花を心待ちにしていたようなメジロやヒヨドリの鳴き声が、風向きが変わりつつある少し生暖かい強風に乗って届く。
マスクを暫し外して、深呼吸し、梅の香りをいっぱいに吸い込んだ。
なんて気持ち良いのだろう!
人混みに押されながら電車に乗るのとは大違いだ!
何よりお金もかからず、歩く事で健康になれるのだから、一石二鳥以上の獲得だ!
征嗣は、自然や生き物達と身近に接する時に、生き甲斐を感じる。
自分が、彼らと共に生かされている喜びと感謝の気持ちで充ちる。
神社に辿り着くまでの間に、心洗われる思いになりながら、敬虔な気持ちで、鳥居に御辞儀をしてからくぐった。
手水舎で、左手、右手を清めた後、左手で口を漱いでから、柄杓を洗浄した。
お正月も旧正月も既に過ぎたが、やはり、このような好天気の日曜日には、参拝者が思いの外多く、本殿には、長蛇の列が出来ていた。
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