ステレオの音がしたら・・
母が言う
「お姉ちゃんの部屋からステレオの音がしているときは部屋に入ったらだめだからね。お姉ちゃんの邪魔だから。」
「分かっているって、そんなに何度も言わなくても。」
お姉ちゃんは音大で学んでいて音楽には超煩いのだ。だからお姉ちゃんが音楽を聴いているときは誰もお姉ちゃんの部屋には近づかない。
今日はお姉ちゃんの彼が部屋に来ていて二人で音楽を聴いている。いつものチャイコフスキーのくるみ割り人形だ。お姉ちゃんの彼も同じ音大で、二人とも音楽オタクだ。
それにしてもチャイコフスキーのくるみ割り人形ばかり聞いて、二人ともどんな趣味なんよ。私はすっかり耳タコになってチャイコフスキーのくるみ割り人形を全部覚えてしまったよ。
お姉ちゃんの彼は背が高くて、ちょっとだけイケメンだ。まあ私の趣味じゃあ無いけど・・何と言うか、私を見るときの目がエロいというか・・何かを感じるんだよね。
もしかしてお姉ちゃんより私に気が有るのかな・・それは無いか(笑)
私も彼氏が欲しいなあ・・中二って大人じゃあないのかなあ。
大学生が14才に手を出したら逮捕なんだよな。と言っても同級生はガキばかりでつまらないし・・
私の部屋の上にお姉ちゃんの部屋が有るので、窓を開けると窓の上から音楽が聞こえてくる。タララン タララン タラランター・・・又してもチャイコフスキーだよ。
ほんとうに、よく飽きないねえ。
しかもいつも大きな音で、チャイコフスキーは耳タコなんだよね。
だいいち近所迷惑だと思わないのかねえ。
そんな事を考えていると、チャイコフスキーが終わって別の曲が流れ始めた。
あああ! 私のYOASOBI のCDだ!
無いと思ったら、お姉ちゃんが持っていたんだ!!
もお、失くしたと思って探していたのに!
YOASOBI はお姉ちゃんの趣味じゃあ無いでしょうよ!
私は部屋を出て階段を駆け上がり、お姉ちゃんの部屋のドアを開けた。
「ねえ!私のYOASOBI返してよ!」
お姉ちゃんの彼が私を振り返り、慌ててお姉ちゃんから離れた。
お姉ちゃんは全裸で、股を開いて仰向けに寝ていた。
その姿勢で「なあに?」と気だるげに私の方を見た。
私はバタンとドアを閉めて階段を駆け下りた。
な!何という恐怖・・
M字開脚のお姉ちゃんと目が合ってしまった・・
そういう事だったのね・・
チャイコフスキーのくるみ割り人形って・・
入っちゃあいけなかったのね・・
今日も姉の部屋からミニコンポの音楽が聞こえる。
チャイコフスキーのくるみ割り人形が・・
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