第10話 ビバ呪いのアイテム

部屋に戻り”呪われたアイテム集”を広げた


「なになに?一体どんなものがあるのかな」


本に書かれてる内容はこうだ



――――――――――――

〔呪いのアイテム集〕


【呪いの盾】

ー効果ー

無敵の防御力を誇るがその場から動けなくなる 

但し正面からの攻撃のみ有効


【呪いの兜】

ー効果ー

被ると周囲30メートル以内の微細な音でも聞き取れるが 

但し装備時に視力を失う


【呪いの指輪】

ー効果ー

つけると無限に初級魔法を魔力無しで撃てる 

但し異性に極度に嫌われる 


尚外す為には指を切断する必要がある

            

【呪いのサイコロ】

ー効果ー

サイコロの目によって攻撃力が増す 

但し六の数字が出ると拳がはじけ飛ぶ


――――――――――――


「呪いの指輪とか最悪じゃないか!!!絶対付けたくない。逆に呪いのサイコロとかは使い方によっては便利だな」


流は色々なアイテムがあるなと思いながら流し読みをつづけた。


そしてとあるページで目を止めた


「こっ、、、これはっ!!!」


【呪われた隷属の首輪】 

ー効果ー 

着けられた者は、着けた者に対して絶対服従となる。

但し、命令者は命令内容を口にしている間、耐え難い激痛が走る


「ま、まさか、痛みに耐えるだけで命令ができるのか!?」


僕はこの首輪があれば魔族の女の子にこだわらなくても良いのではと考えた


「そうだよ。この首輪さえあれば、思いのままじゃないか!!」


いてもたってもいられなくなった僕は本を抱えて魔王の下に走った


「魔王!!」


興奮しながら魔王の自室の部屋を開けた


「なっ、なんだいきなり。ノックもしないとは」


「すまないが今は緊急事態だ」


「まぁよい。して、緊急事態とは?」


魔王の前に”呪われた隷属の首輪”のページを開き叩きつける


「コレ、持ってるか?」


流は鼻息を荒くして魔王に詰め寄った


「おぉ、呪われた隷属の首輪か。すまないがコレは城には無い」


「じゃあ今はどこにあるんだ」


魔王に食い気味に聞いた


「コレは人間が支配する土地にあるぞ。ドレラークン領にあるダンジョンのどこかにあったはずだが」


「分かったありがとう」


「あっでもこのアイテムだが結局……」


魔王は何か言いかけていたようだが僕は全力でドレラークン領にあるダンジョンを目指して走り出した


「行ってしまったか…これは今まで試そうとした者がいたんだが…まぁよいか」


魔王は再び書類に目を通し始めた


僕は先ほどすれ違った第五師団長のバルサンを探した。

確かドレラークン領は彼の拠点近くだったはずだ


バルサンの自室に入ると血走った眼で詰め寄った


「バルサンさん。悪いけどドレラークン領にゲート出してくれないか!!」


「ドウシタユウシャヨ」


「今は説明している時間が惜しい。頼む」


バルサンは少し考えると快く承諾してくれた


「ワカッタ。ユウシャノタノミ、キク。ワレラナカマ」


(名前はふざけているが良い奴だ。これからは名前で笑うの控えよう)


そう心の中で誓った


バルサンは手を広げ呪文を唱えた


「【ゲート】オープン」


目の前の空間が歪みトンネルの様な空間が現れた


「ユウシャココニハイル。ソシタラソコ、ドレラークン」


「ありがとう。行ってくる」


流は【ゲート】に飛び込こんだ


ゲートを出ると洞穴の中で、道が二つ。標識があり、見ると一つはバルサンの拠点への道、もう一つは外に繋がっている。勇者は拠点には寄らず、真っ先に外へ出る。


外に出るとムワッとした熱気が押し寄せる


「なんか湿気が多いな。それに熱い」


ドレラークン領はレパミミレ国の最南端に位置し、地球で言うとこの亜熱帯地方の様な気候をしていた


体中から汗が噴き出る


「まずはダンジョンを探そう。って言っても今どこだ?」


現在地が分からない流はまず高いところから見てみようと考えた


土魔法を使い自分の立っている場所の土を盛り上げ20メートル程の高さまで上昇した


辺り一面木々生い茂る景色が続いていたが、一部ぽっかりと木々が無い場所があった


「おっ? あれっぽいな」


僕は土を元に戻し、確認した方へ歩き出した


木々や草などが流の行く手を阻む


剣で切り裂き自らの目的地を目指して進む


1時間程歩いた時、目的地にたどり着いた


開けた場所に小さな山の様なものがあり、その下部中央付近に地下へと続く階段が見えた


「待ってろ呪われた隷属の首輪よ。いま僕が迎えに行く」


天高く剣を掲げ僕はダンジョンに向かって叫んだ


階段を下りていく。持ってきた松明に火を灯し道を照らす


ダンジョンには魔物が湧いていて侵入者を襲うそうだ


警戒をしながら奥へと向かった


静寂の中に時折聞こえる水の音


天井から滴り落ちる水滴がつむじに当たる


「ひゃ」


変な声が出てしまった


勢いでダンジョンに来たが、実際初の攻略になる。


装備も不十分。だが欲望を叶える為に勇者は歩を進めた


突如前方の暗闇から甲高い声が聞こえる


「キキッ」


前方に松明を向け暗闇を照らす。ウサギの様な外見に角が生え目が6個付いてる魔物が勢いよくこちらに走ってくる


「1匹…2匹…3匹!! 」


腰に装備した剣を抜いて戦闘態勢を取った。


ダンジョンでの初戦闘が幕を開けた…

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