第43話 痛いさそい
「クリスマス。俺と過ごしませんか?」
イケメン揃いと言われているテニスサークル。その中でも特にかっこいいと言われている、えっと……。なんとか君が私にそんなことを言ってきた。ラウンジの入り口という人目につくところなだけに、周囲の女子たちからの視線がものすごく痛い。
『神崎君、水無瀬さんのことが好きだったんだ……』
近くにいる女子の言葉で、目の前にいるのが神崎君だということを把握したうえで、
「ごめん。無理」
きっぱりと鋭く返した。そうすればすぐに諦めてくれると思ったのに、
「でも、彼氏と別れたんだよね?」
神崎君は私の深い傷を更にえぐるような言葉をまっすぐ投げつけてきた。
「クリスマス。一人で過ごすのは淋しいでしょ? だったら俺と、どう?」
神崎君は私に同情するように表情を儚げに作り上げて、もう一度きいてきた。そんなコイツに腹が立って、
「別に。クリスマス一人とか淋しくないし。それじゃ」
私は少しだけ強がって、彼に鋭い視線を向けてその場から立ち去った。
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