三題噺.122:麺、文字、ぬいぐるみ(140字)

 バターと砂糖、卵、薄力粉を混ぜ、のの字が書ける程にクッキー生地がまとまる。麺棒で薄く伸ばそうとすると、突然娘が熊のぬいぐるみを抱いて駆けてきて、驚いた私はほっぺの毛に生地を零してしまった。娘は気付かない様子で楽しげな嵐のように居間へ過ぎていく。後でこっそり染み抜きをしておかねば。

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