閑話休題 エピソード ~交番のロリ~
これは、私の身に本当にあった出来事というていでの話です。
私はこの日、午前中はお出かけをしていたいました。
それで、昼の三時ごろに自宅の最寄り駅で降りたのですが、その駅の近くには交番があり、私は帰宅するのにそこを通る必要がありました。
そんなわけで、いつも通りに交番の前を通ったのですが、そんなときにふと交番の中を見てしまったんです。きっとそれがいけなかった。
中には一人の少女がいて、警察の人から取り調べを受けていました。実際は少し違う言い方があるのでしょうが、私の低い語彙力では取り調べと言うほかありません。
そして何事か、彼女もまたこちらを見たのです。タイミングよく、偶然に。
私と幼女の視線が重なりました。
そして、幼女は交番を飛び出して来るなり、
「お兄ちゃん!」
そう言いました。ええ、なんの迷いもなく。もちろん、私の妹ではないです。
というか、私、私と言っているのに私をお兄ちゃんと呼びますか、そうですか。まあ、私と言ってるのは心の中での話ですし、お兄ちゃんに見えたのなら仕方ない。子供は正直ですから。
「ああ、きみ。この子と待ち合わせしてたお兄さんかい。この子の言ってたことと合ってるし、そうかよかった。こんな小さな子が、自宅の最寄り駅から三駅も離れた場所まで来て、駅周辺をうろついてたものでね。てっきり迷子か家出かと思ってしまったけど、そうか。ほんとによかった。いや、全然信じられなかったけど、この子の言うことが真実でほんとによかった」
ええ、それは信じられないでしょう。だって、嘘ですから。
その幼女の言ってたことは全て嘘ですから。
思わずクビを振り、違うと否定しようと思いましたが、できませんでした。
だって、その警官の目からは、
『よかったな、タイミングのいい兄ちゃん。幼女お持ち帰りできるなんて。羨ましいわ。ええ? それと、面倒事も全部貰い受けてくれて助かったわ。ありがとな』
と、思っていそうだったから。
まったく、あなたも私をお兄ちゃん呼ばわりしますか。てか、どうして警官のくせに私にそういうのを押し付けるのか。仕事しやがれって話ですよ。
けど、そんなこんなで、私は幼女お持ち帰りをすることになったのです。
ちなみに、私はお兄ちゃんではなくお姉ちゃんですよ。
つづく……かも?
※実際の人物、場所とは関係ありません。
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