推しカップルの恋路を守るだけの簡単な推し事

ゆーのん

プロローグ




 御伽噺の世界が大好きだった。

 きらきらで、ふわふわで、現実には無いものばかり。


 お淑やかで照れ屋なかわいいお姫様に、爽やかで優しいイケメンの王子様。道中障害はあれど、最後は二人結ばれてハッピーエンド。


 だから。


 だから絶対、この二人も結ばれなければならない。


 そのためなら私、なんだってしてやるわ。

 彼と彼女が二人、いつまでも幸せでいられるなら火の中水の中、彼らの恋を脅かす全てを退けてみせる。


 それがこの世界での私のお仕事──いえ、推し事なんだからっ!




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