第19話 アイドルだって人ですし

「いや〜、しかし天城ちゃんは運動苦手なんだね」


 賀川さんがそう言って床に寝転んだ僕を苦笑いしながら、中腰で見下ろす。


 僕はぜえぜえと息も絶え絶えになりながら、滝のような汗を流し、床の冷たさを感じている。

 僕は全く運動は苦手なのだ、ダンスなんてもってのほか。


 トレーナーさんが見せてくれた簡単なステップもまともに踏めず、足はもつれるわ息は上がるわ体は固いわで、もう才能ゼロだった。


「ま、まぁ初日ならこんなもんじゃないか…?とりあえず風邪引いたら行けないから着替えて

 来なさい。更衣室はそこだから」


 トレーナーさんが指さす方には確かに更衣室、の文字が見えた。

 借りたジャージを早速汚してしまったが、もはやそんな事はどうでもいい。それくらい疲れた。


 僕はよろめきながら立ち上がり、ふらふらとおぼつかない足取りで更衣室に向かった。


 更衣室に入ると誰も居らず、ゆっくりと着替えが出来そうだ。

 ジャージに着替えた時に使ったロッカーの前まで行き、ジャージを脱ぎ始める。


 そして上着を脱いだところで、更衣室の扉が開いた。


「お疲れ様〜今日は疲れたよね〜」


 入ってきたのは賀川さんだった。

 そして、何の躊躇もなく僕の近くにあったロッカーに向かい、ジャージを脱ぎ始めた。


 え、いやちょっと待って?

 ここって何?女子更衣室な訳?

 え、僕捕まる?これ。人生終わりの始まり?


「天城ちゃんも今日は疲れたでしょ!トレーナーさんってば天城ちゃんがいるからか、今日は張り切っちゃってさー」


 そういって賀川さんは上着を脱いで、その下に着てあった薄手のTシャツも脱いだ。

 高校生くらいの健康的な体付きがキャミソール姿がになった事でより顕になり、僕は生まれて初めての光景に固まっている。


「ふぅ、早く着替えてシャワーを浴びたいですね」


 そしてさらに追い討ちをかけるかのように、今度は佐伯さんが入室。

 そして流れるように脱衣。

 顕になるは豊満な身体。つまり巨乳。


 僕は完全に固まっていた。

 そして固まっていたところを不思議に思ったのか賀川さんがこちらに近づいてくる。


「天城ちゃん、どうかしたの?」


 僕はその言葉でようやく笑に帰り、


「い、いや!何でもないです!自分すぐ出ますんで!」


 改めてジャージを着直してすぐ立ち去ろうとしたが、


「何言ってんの!こんなに汗かいてるんだから風邪ひいちゃうよ?ほら、脱いだ脱いだ!」


 賀川さんに突然ジャージもろとも、したのTシャツまで脱がされる。そして顕になる僕の肌着。まだズボンはある。


「え、天城ちゃんブラしてない…?いくら慎ましやかさでもしてないと将来垂れたりするよ…?」


 ブラなんてしてるわけない…だって男だもの。

 そうこうしていると、今度はズボンを脱がされた。賀川さん強引過ぎない?


 僕は今、パンツに肌着という普通に変態の格好になってしまった。


「え、これって男性用の下着…??」


 そう賀川さんが言った途端、さっきまでゆっくりと着替えていた佐伯さんがこちらに飛んできた。


「おやおやおやおやおや?????珍しいですね〜〜???男性用の下着???、しかもブラも付けてない???本当に女の子ですか?????」


 な、何だこの人!?

 目が野獣のそれなんだが!?


「これは確かめないといけませんね〜〜????ちょっと失礼しますよっ!!」


 賀川さんはその勢いのまま、僕のトランクスを下ろした。そして、僕のコクーンが開示されてしまった。







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ショタ系配信者だけどありとあらゆる人が女装させてくるしなんか身の危険を感じる 椿 @onai_john

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