第241話 解決策が斜め上!

 初の茶会からの帰宅後。


「――で、何をそんなに怒ってるんでしょうかフィーネさん」

「べつに怒ってないわよっ」


 いやいやどう考えても怒ってますが!?

 オレ何かしたか?


 ちなみにハクは、場の空気を察してオレとフィーネを2人にすべきと思ったようで。

 早々に1人自室へ入ってしまった。


 いやまあ助けてもらったし、会話下手なのは認めるけど。

 でもそれは分かってたこと――だよな?

 もしかして、思った以上にひどくて幻滅した?

 でもそこまでは――


「今後のためにも、何かあるなら教えてほしいなー、なんて」

「しつこいわね! 何もないって言ってるじゃない。……べつに私じゃなくてもいいんじゃない?とか、うっかり流されてよその令嬢に乗り換えるんじゃ?とか、そんなことは考えてないからっ」


 ――――え?


「あ、もしかして妬いてt」

「は?」

「……いや、何でもないですごめんなさい。でも本当にないから。たしかに全員可愛いし美人だとは思ったけどさ……。でも思っただけだし、それは事実だし不可抗力というか……」


 たぶん顔がにやけてたとか胸元を見てしまったとかそういう話なんだろうけど!

 あんな美少女たちに迫られて、ちやほやされて嬉しくないわけないだろおおおおおおおおおおおおお!!!

 みんな胸元の開いたドレスみたいなの着てるし!


 でも、それでフィーネを好きな気持ちが揺らいだりは断じてしていない。


「…………はあ。まあ君は元人間だし、異性にやたらと反応を示すのも仕方がないことなのかもしれないけど。でもせめて隠しなさいよっ!」

「無茶言うな! あんな服で至近距離に迫られて、色目使われて動揺しないほど女慣れしてないんだよっ」

「……でも、私が近くにいても何も反応しないじゃない」


 フィーネはぷくっと頬を膨らませ、拗ねたような表情を見せる。


 は? 何だこいつ。突然可愛いがすぎる。

 ――じゃない。


「おまっ――一緒に暮らしてんだから変なこと言うなよ! うっかり何かが起こったらどうすんだ」

「何かって何よっ!」

「はあ? それは――。と、とにかく! オレは体は神族かもしれないけど中身は人間の男(30代)なんだよっ!」

「そんなの知ってるわよ私が救済召喚したんだからっ」


 こいつたぶん全然分かってないな!!!

 ――というか神族ってその辺どうなってんだ?


「――分かったわ」

「な、何がだよ」

「君が女性に慣れてないっていうなら、私が慣れさせてあげるわよっ」

「………………はあ!? おまえさっきの話聞いてたか!? やっぱり全然分かってないだろっ」

「分かってるわよ。要は至近距離で見慣れてないってことでしょ? ほら、近づいていいからいくらでも見なさいっ」


 間違ってはないけど!

 でもそういうことじゃない!!!

 というか見なさいってどこを!?


 くそ。

 フィーネが変なこと言うから、変に意識していつも以上に見れない!!!

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