生きたホラー底辺ワナビ小説家ついに爆誕!!『実在する出版社・編集部様に喧嘩を売ってる訳ではありません。御了承下さいm(__)m』

水守風火・活動停止中・復帰時期未定(-_

 プロローグ(1)~ヨムカク編集部山田俊光・~悲劇or喜劇~

「頼もう!」


 彼の声はヨムカク編集部中に響き渡った。

 見た目三十代後半だろうか?

 顔立ちは端正で男前ハンサムと言ってい部類だろう。美青年とも言える。


 しかし編集部に詰めていた者達は彼の異様さを一瞬で感じ取った。


 何しろ彼は右肩に釘バットを担いでいたからだ。


「俺様をご存知の方もいるだろう。日頃からTwit○erで物騒なツ○ートをしてるからな。要注意人物と思われても仕方ない」 


 彼は淡々と言ってから、ぶぅん! と釘バットを一降りした。


「俺様が言いことはただ一つ!」


 そしておもむろに――


「一生のお願いです! いのちが惜しかったらヨムカクコンの開催を延期しろ――いや、して下さいっ!」


 と釘バットを手放さないまま勢い良く土下座した。


 ――シーン……。


 緊張感を伴った。それでいて何処となく喜劇を見て笑いをこらえるような、なんとも言えない空気と静寂が編集部内を支配する。


 チッ、チッ、チッ……。


 秒針の音が響く。今時いまどきアナログな壁かけ時計の秒針の音だ。


 そこへ、


「え、えーと、まずは詳しくお話を聞きましょうか?」


 ヨムカク編集部の腕利き編集者。山田俊光やまだとしみつが刺激を与えない様に気遣いながら優しい声音で、土下座している彼に語りかける。


「お話を聞くだと!?」 


 すると彼は土下座をやめて釘バットを構えながら立ち上がった。


「ひぇっ!」


 山田は釘バットの先を向けられて間抜けな悲鳴を上げる。


「話を聞くで結局は何もしない魂胆だろう? それから一番奥のデスクに座ってふんぞり返ってる編集長! 警備員を呼ぶエマージェンシーボタンの回線は動かないぞ!」


 びくっ、と編集長の肩が震えた。


「ふん! やっぱりか! どうやら俺様の要望を聞くつもりはないようだな。それなら――」


 彼はニタリ、と嗤った。


大量虐殺ジェノサイドの始まりだ――!」   


 彼は釘バットを振るった。

 

 ドカッ!

 グシャッ!

 バキッ!


 ヨムカク編集部の面々が一人、また一人と彼の凶行……釘バットに殴られ打たれ潰され、倒れて行く。


「あ、あぁ……」


 山田は腰を抜かして床へとへたり込んだ。

 

(目の前で起きている惨劇は本当に現実なのか?)


 そんな山田の思考も、グシャッ! という音と共に途切れ――


 男は山田を念入りに打ちすえ潰したあと……。


 最後に残っていた編集長へと視線を向けて、ニタニタと嗤いながら編集長かれのデスクへと歩いて行く。


 出入り口は一ヶ所。逃げたくても恐怖で足がすくんで動かない。


ドカッ! グシャッ! メリッ!  


 男は編集長を乱打し、これまた念入りに潰すと満足そうな笑顔を浮かべた。 

 

 そうしてこの大量虐殺ジェノサイドから一連の恐怖は始まった。


 これは、とある大手出版社と一人の底辺Web小説家ワナビに起こった。喜劇のような悲劇の物語である。


 

 


 

 

 


 


 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る