第6話 タブロイド紙を持った似非紳士 Fake gentleman with tabloid
―― 窓辺に留まる小鳥の
(んぅ…
多分、昼間から夕方に鳴く
確か、
(あ… れ、私……)
重い
上品な内装を見て、最近の娼館は凝っているなと考えながら、もぞりと
(うん、大丈夫。何もなかったはず、だよね?)
ひとり安堵していたら、怪訝そうな声が掛けられる。
「…… 起き抜けに胸を揉みしだくのは、習慣か?」
「ふぇ… ち、違います!!」
声のする方を
どうにも状況が分からず、ぽかんと見つめ返してしまう。
「口を開けたままだと、馬鹿に見えるな」
「~~っ、何なんですか、貴方は!」
「皆にはディーと呼ばれている。お前もそうしろ、リズベル・グラヴィス・ホーエンハイム。あと下着の肩紐がズレている、直してやろう」
淡々とした言葉を聞き、
伏せ寝から上体を起こした四つん這いの姿、スリップの肩紐が外れている。
(
しかも先程の発言は本気らしく、歩み寄って手を伸ばしてきたので、声にならない悲鳴が響き渡った。
ともあれ、閑話休題という事で… ディーと名乗った彼を追い出してから自問する。
「うぅ、分からない、どうしてこうなったの?」
憶えているのは深夜の出来事まで、いつの間にか見知らぬ部屋でぐっすり寝ていて、
本当に意味が分からず、これ以上考えても無駄と思考停止して、クローゼットを開ければ寄宿舎の
「いつの間に?」
注意深く観察すると数少ない私物も
もう突っ込む気力を失い、衣服を整えて階下にあるという居間へ足を運んだ。
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