あの頃の自分・・・

絶坊主

第1話


今から15年程前の話。


上の子が3歳くらいの頃、妻と3人で大型ショッピングモールに買い物に行った。


「また、電話して。」


普段、子育てで大変だろうから、たまにはゆっくりショッピングでもと子供は私が見て妻と別行動する事にした。私は子供を抱っこして色んなフロアーをウロウロしていた。下のフロアーに行く為、エスカレーターに乗っている時。


各フロアーのエスカレーター側に休憩する為のベンチがある。私が降りようとしたフロアーのベンチ。


ある違和感を感じた。


4つ程あるベンチの一角。高校生くらいの学生の集団がいた。


私が違和感を感じたのは、ベンチには真面目そうな子が3人座っていた。それを取り囲むように、いかにも不良というような連中が8人くらいいた。


真面目そうな学生たちはうつ向き加減で座ったまま。


私のある記憶が甦る・・・


下のフロアーに着き、その集団の側を通る。取り囲んでいた学生の1人と目があった。その学生は、すぐにスッと目を逸らした。


コイツらやっとんな・・・


私が予想していた事が確信に変わった。


あの頃の自分を助けなきゃ・・・


そんな思いが駆け巡った。


あの頃の自分・・・



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