同・居・人
ハル
第1話 入学式
邑城 痲由佳(ゆうき まゆか)。15歳。
一人暮らしを始め、4月から晴れて高校生になる女の子。
勿論、仕送りは親に甘える中、バイトなんかもしちゃたったり…
実は、うちの高校はバイト禁止らしくて……
援助交際でもしちゃう?
なんて思っちゃうけど、そういうわけにはいかない。
好きでもない人と体の関係を持つなんてゴメンだし、親にも、絶対に、そういう事をするな!って言われている。
勿論、言われなくてもする気なんて一切ないけど…
やっぱり最初は、後悔したくないじゃん?
最初が肝心!
それは見た目とかで判断されたりするから、ありのままの自分で接したいと思うから。
離れていく人、離れない人いるけど、それは人それぞれだから私が決める権利ないし。
彼氏いない歴。15年。
何も経験した事がない女の子。
だから、正直、初めてのものは、やっぱり簡単に奪われたくないのが本音なんだけど……
――― 入学式 ――――
《えっ!?》
《ここ(高校)…カッコイイ系、美人系とか多くない?》
《私、場違いなんじゃ?》
入学して、すぐに感じた。
そして、教室に行くと一人のクラスメイトの女の子が声をかけてきた。
「ねえ、名前、何?」
「えっ?」
「ちなみに私、絖瀬 果菜(わたせ かな)って言うんだけど…」
「私は、邑瀬 痲由佳」
「じゃあ、痲由ちゃんだね」
「えっ!?」
「あれ?お気に召さなかった感じ?」
「ううん!大丈夫!初めて呼ばれたから驚いちゃって!」
「そう?」
私達は話をしていた。
――― 数日後 ―――
「割の良いバイト!?」と、果菜ちゃん。
「うん…」
「だったらあれしかないでしょう?」
「だよね…やっぱりあれだよね?」
「うん。でもさ、ここの学校バイト禁止じゃなかった?」
「それがあるんだよねー」
「まあ、理由次第で出来なくないみたいだけど無断バイトバレたらヤバイんじゃない?」
「…だよね…」
とはいったものの私は結局、無断バイトをする事にしたんだけど……
裏方のバイトで皿洗いのバイト。
中華料理屋さんだ。
何度も何度も怒られながら私はやっていたんだけど、正直、ガサツな私にしてみれば、よりハードに思えてくる。
「えっ!?マジで無断バイト!?」
「うん…」
「ちょっとバレたらヤバイよ…」
「だから裏方のバイトしてる」
「裏方云々に限らず気を付けた方が良いよ。まあ、一人暮らししてると色々と大変だもんね?」
「うん」
私達は、話をしていた。
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