第3話 栗林の苦悩
栗林繊維では、社長室で栗林社長と佐川副社長が睨み合う。
栗林『シノシノラバーからの提案の件だが、どうして私を通さなかった?』
栗林はシノシノラバーの不正を疑い、佐川を問い詰める。
佐川『社長はランディアさんとの交渉をしていらしたので、こちらで対応をいたしました。なにか不都合がございましたか?』
佐川は表情一つ変えず、何事もなかったかのように対応した。
栗林『シノシノラバーが提案してきた次世代タイヤは、ランディアが開発したものだ。シノシノラバーが不正を働き情報を引き抜いた可能性がある。』
栗林は鹿島を信じ、核心を突く。
佐川『おかしいですねぇ。シノシノラバーさんは全く逆の同じことを申しておりますよ?不正を働いたのはランディアさんのほうじゃないんですか?』
栗林『鹿島社長はそのようなことをする人ではない。』
佐川『まさか個人的な関わりが?ビジネスに私的な感情はご法度ですよ。社長。』
栗林は何も言い返すことができなかった。
正論である。そして真実は栗林にもわからない。
栗林にできることは、鹿島を信じることだけだった。
佐川がいなくなった社長室で、栗林は深くうなだれた。社長などと肩書きだけは立派だが、鹿島さんの力にはなれないのかもしれない。栗林は自分の無力さを呪った。
事態は悪くなる一方だ。
一流企業のシノシノラバーと、起死回生の一手を握りつぶされそうなランディア。
鹿島率いるランディアに逆転の一手はあるのか。
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