その167、取材をしよう(1)
「本が消えてたんだって」
隣を歩くミカちゃんが言った。
事の発端は、彼女が所属する放送部に届いたタレコミだった。ある日、近所の本屋の一角から本がごっそりなくなり、翌日にはまた元に戻っていたのだという。
今はその真偽を確かめるため、取材へ向かうところだ。私は付き添い。取材は初めてだし緊張するから一緒に来て――と頼まれたのだ。
……いや、私も初めてなんだけど。けれど親友の頼みだ、無下にはできない。
「本の入れ替えをしてたんじゃない?」
当然の疑問を口にするも、首を振るミカちゃん。
「元に戻った時、だいたい同じ本が並んでいたんだって」
むう、それはたしかに妙かも。
あれやこれやと話しているうちに、問題の本屋へ着いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます