その150、授業参観を受けよう(3)
午前の授業はそわそわとした空気が漂っていた。
担任ののりこ先生もどこか上の空で、何本もチョークを折っていた。
給食時間。この後の昼休みに保護者がやってくる。最後の晩餐である。
「今年は平和に終わるかな?」
春野菜のスープをすすりながら、ミカちゃんが言った。
「でも秘密結社結成したし、去年よりひどくなったり?」
「校長も一味だしね。学校占拠されちゃうかも」
冗談ではなくありえそうなところが怖い。あ、この黒ごまチキンおいしい。
と、窓際の男子が騒ぎ出した。何事かとぞろぞろとそちらへ集まっていく。
さほど広くない校庭。その中央にずらりとスーツ姿が横並びに整列していた。
「お、お父さん……」
時は早くも風雲急を告げていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます