その147、最終日(4)

 ……これってチョウトンボのことだよな?

 画面を見つめ、自問する。牧野に確認したいができるはずもない。今はそうだと思うしかないだろう。

 そこまではいい。けれど。

 何と返信すれば?

 褒めてくれたことにお礼をする? それともチョウトンボの説明? いや待て、今こそナギサハネカクシの出番では?

 考えれば考えるほど分からない。自然な会話とは一体。

 ああ、もうどうにでもなれ!

『そこ、お城みたいですげーな』

 ピコーン。

『ほんとにお城みたいだったよ』

『いいな』

『でしょ!』

 サムズアップのスタンプを送り送り返されたところで、机に突っ伏す。

 やり切った。疲れがどっと押し寄せる。だれど――

 ぎこちないトーク履歴を前に、自然と顔がほころんた。

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