その109、買い物に行こう(3)

「カッコー」

 私の声に、びくり振り返るカッコー。どこかそわそわしている。もしかして、この前のことをまだ気にしているのだろうか。

「この前はごめんね」

「だいじょうぶ、今着いたところだから」

 ……目がバタフライしてるけど本当にだいじょうぶだろうか。会話もかみ合ってないし。ちょっと気まずい間が空く。

 とにかく何か言おうとした矢先、慌てたようにカッコーが口を開いた。

「えっと、服変えた?」

 ……何を言っているのか分からない。新調したかどうかということだろうか?

「前から持ってるやつ」

「あー」

 雑踏が二人を通り過ぎていく。

「と、とりあえず今日はよろしく」

 買い物かごを手に、二人ジャパンへと入る。

 ……なんだか落ち着かない。

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