その92、委員会に入ろう(1)

「え」

 思わず声をあげていた。

 休み時間の教室。いつもよりざわついているのは、次の四限目・学活のせいだろう。委員会活動の配属を決めることになってるのだ。

 五年から生徒は必ずどこかの委員会に所属する。この時、希望が通るかどうかによって今後の学校生活が左右されると言っても過言ではない。

 そして。

「ほ、放送委員?」

 オウム返しする私に、ミカちゃんが頷く。

「変かな?」

「えーっと」

 私は教室の向こうを見た。

「俺はやるYO、俺はやるYO」

 放送委員立候補を公言しているイケダーがライム(?)を奏でている。

「放送委員って、ああいうイメージだったから」

 苦笑するミカちゃん。

「さっちゃんは?」

 返事する間もなく、チャイムが鳴った。

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