その89、クイズをしよう(5)

「ダンスダンスダンス……」

「ドラえもんが寝ているのは?」

「タ……押し入れ!」

「ブー、布団」

「……ミカちゃんの誕生日は?」

「く……八月十日」

「それ、私の誕生日」

 バトルは一進一退。父は父で10回クイズとやらを繰り出して来るし、私は私で父が知らないであろう問題を出す。もちろんお互いに譲る気はない。時間ばかりが不毛に過ぎていく。

「ごまって10回言ってみて」

 というか、なんでそんなに10回クイズに詳しいのか。

「らちが明かないな」

 もう何度目の引き分けの後だろう、父はそう言ってスマホを取り出した。

「そろそろ決着をつけようじゃないか」

 タップに合わせ、動画が流れ出す。

『おはクイズ! 今日も陽気なクイズ男爵、参上!』

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