その86、クイズをしよう(2)

「さあ、クイズで勝負だ」

「いや、やらないけど」

 そう答えると、父がきょとんとした。

「え……なんで?」

「別にお父さんに質問とかないし」

 むしろなんで快諾すると思ったのか聞きたい。勝ってもメリットはなく、負ければ質問攻め。断るに決まっているだろう。

「いやいやいや、何でも聞いてくれていいんだぞ? 好きなタイプとか推しのサメ映画とか年収とか」

 ……ろくな情報がないけど。

「好きなタイプは小柄なショートヘア、推しザメは『シャークネード』、年収は――」

 しかも全部答えてるし。というか生々しい話やめれ。

 私はため息をついた。

「じゃあさ、私が勝ったらさっきみたいな質問やめてくれる?」

「……よかろう」

 そして、戦いが始まった。

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