その20 新学期
「あけましておめでとー」
三学期初日、教室中にこだまする社交辞令。LINEや年賀状で散々済ませたあいさつだけど、会えばやっぱり口にしてしまうのはなぜだろう。
と、後ろから名前を呼ばれた。カッコーだった。いつもはうるさいのに今日は居心地悪そうに黙っている。冬休みロスだろうか。
「これ、やる」
一枚の紙を私に押し付けると、そのまま行ってしまった。
呆気に取られつつ紙に目を落とす。謎の動物の写真、そしてその下にはぎっちりと印刷された文字。
『カラカルとは』
あ、質問の答えか。何て律儀な。慌てて教室を見渡すも、もう彼の姿はなかった。
もう一度、写真――たぶんカラカルを見て首を傾げる。
何であんなにそわそわしてたんだろ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます