13話  魔法少女は苦戦する


 どうする?どう動く。

私はブラックポイズンスネイクを見つめ、動きを読もうとする。


 スネイクもこちらの様子をギロッと赤い目で見る。


 怖い。正直めっちゃ怖い。


私はそんな考えを捨て、ステッキを構える。

この際、魔力なんか気にしてられない。


「でかい体してるのになんでそんなに速いのっ!」

私はスネイクの攻撃を躱しつつ、魔法を放つ。


 軽い技じゃ、意味がない。

もっと魔力を込めた魔法じゃないと。


「ファイア!」

魔力を思いっきり込めたファイアを放つ。


 スネイクはそれを赤黒い尻尾を振り、炎を消す。


「あの尻尾が厄介過ぎる…」

尻尾を振った隙に攻撃するしかない。


 私はスネイク目がけて一直線で走り出、飛ぶ。

それを見たスネイクは尻尾を振り出し私に向ける。


 それを待ってた!


「神速Ⅲ!」

神速で私は素早い尻尾を避け、ウィンドカッターを纏わさせたステッキを思いっきり振りかぶる。


「いけぇぇぇぇ!!」

すると少し鱗が剥げ血が噴き出る。


「シャァァァァーー!」

痛みに悶えるスネイク。


 こんだけ強いんだから痛みを感じたのも久しぶりなんじゃない?


「ファイア!」

私はその傷口に向けて放つ。


 全てに魔力を大量に込めなきゃいけないから辛い。

体から魔力が抜けるたび貧血みたいにくらくらしてくる。でも、こんなとこで倒れたら死ぬだけだ。


 ファイアに当たったスネイクは体を大きく動かし、悶え続ける。


 その時無造作に尻尾を振り回しているから避けるのが大変だ。


「ちょっとは大人しくしてよ。」

今ある魔法でなんとかならないか考える。


 もし無かったら創るしかない。


「まずはこれ。ライニング!」

これもステッキに纏わせ、ステッキからビームのように出す。


 荒れ狂うスネイクは少しだけ大人しくなる。


「少し抑え込めただけじゃん。」

決定打になるものがなかなか無い。


 どうすれば倒せる?

鱗は硬い。炎を当てても意味がない。焦げるくらいだ。風魔法も同じ。跡が付くだけ。

地道にやるしかないの?


 スネイクはようやく痛みに慣れ、こちらをギロッと睨む。


 すると、尻尾を私に向けて突き刺そうとする。

私は飛び上がり避け、着地しようと安全圏を探す。


 そのとき、スネイクの巨大な口がそこにあった。


「ちょ、やばっ!」

私は即座に体を捻り避ける。


 だけど上着の半分を食い千切られた。


「…上着、持ってかれちゃった。」

私は体に残った布切れとなった上着を捨て、走り出す。


「さっきより早く動けるのは気のせい?」

魔法少女服の上に何か着ると力を出しきれなかったりする?


 そんなことを考えながら攻撃を避け続ける。


 無駄に魔力は使いたくない。でも使わないと倒せない。そもそも使っても倒せないかもしれない。


 これ、詰んでない?

私、ここで死ぬの嫌だよ。


 私は死にたくないので本気になって避ける。

普段できないことも出来てるような気がする。

火事場の馬鹿力ってやつかな。


「はぁ、はぁ、はっ!」

息を切らし、ウィンドカッターを当てて、注意を逸らす。


 ずっとこんな感じで続いてる。


「これじゃあいたちごっこだよ。」

いや、私の方が先に力尽きちゃうか。


 目に水でも入れてやろうかな。


 私はロックウォールで四方に壁を作り、そこにウォーターで水を入れる。

その後上に蓋をしたら。


「完成、これでいけるかな?」


「シャァァ!!!シャァ!」

おぉ暴れてる暴れてる。


 …やばい壁壊れちゃう。

ドンドンとスネイクが体当たりをし、壊れ始める。


 今のうちに策を練らないと。

普通に魔法を打つだけじゃ勝てない。打つとしても高火力のやつ。


 この水みたいに何か特殊な方法で倒せないかな?

風を纏わりつかせて宙に上がらせて、無防備なところに一発と。


 でもその一発が無いんだよね。

どうしようか、ほんとに。


 そんな考えをしてるとドコォーンと水飛沫と一緒に壁が破壊され、爆発したかのようになった。


 …爆発?…そうだ!爆発だ!


 いい技を思いついた。今ある魔法の中で出来る、最高火力の技を。


「ここからは、私のターンだよ。」

 

 私はさっきと同じように走り、注意を逸らす。


 そのとき、床にウィンドカッターを撒いとく。

私がスネイクの周りの一周しウィンドカッターをスネイクを軸にして回転させながら集める。


 するとそこには小さな竜巻が現れ、スネイクを持ち上げる。


「魔法は使いよう。使い方次第でここまで化けるだね。」


 それじゃあ作戦決行だ。


 私はスネイクを上だけを開けてロックウォールを作る。


「よし、倒される準備はできた?」

分からないと思うけど、言う。


 私はステッキを両手で握り、スネイクの真上に巨大なファイアを置く。


 そのファイアはまるでマグマの様だ。


 そこに私はさっきと同じように水を作り出す。


 これで、私の勝ちだ。魔力ももうほとんどない。

これで倒せなかったら、私の負けだ。


 でも、私だって負けるつもりはないし、負けたくない。


 私の日本での知識が役に立つ時が来た。

私はぎゅっとステッキを握りしめ、水も炎の近くに置いた。


————————————————————


 一体どんな技を使うんでしょうか。

(結構簡単だと思います。)



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