11話  魔法少女はスネイク討伐に行く


 今日はスネイク討伐の日、門の前で待っていろと言われたので言われた通り待っていると。


「おはよーソラちゃん。」


「…おはよう。」

エリカとゼンが挨拶をする。


 あれ?バージとダクラスは?


「おはよう、2人とも。それで残りの2人は?」

気になるので尋ねる。


「それがね、2人が行きたくないって言うのよ。」

なんでそんな事に?


「2人ともソラちゃんに負けてからずっと元気が無いのよ。」


 あれ?それ、私がやり過ぎたせい?


 いや…それはあの2人が悪い。私のことを散々馬鹿にしたんだからその報いを受けただけだよね。


「これじゃあ無理だと思ってソラちゃんに報告に来たんだけど…」

そういうことね。


 でもあのモブ2人、いてもいなくても変わらないんじゃ?


「別にこれでもいいよ。」

私はエリカを止めて言う。


 だってさ面白そうだし、やってみたい。

ん?最初は断りたがってたって?

そうだっけ。ちょっとオボエテナイナー。


「え?でも3人だよ。」

私が近接と魔法。エリカが私とゼンを支援してゼンが私が倒し損ねた魔物を倒す。

そんな感じで。


「うん。丁度弱い2人がいないからエリカだって魔法を温存出来ていいでしょ。あと連携もしやすくなったし。」

2人がいたら連携なんてものはできないと思うけど、(主に私と)この3人なら出来る。


「…そう言うなら出来るのだろう。」

ゼンが静かに言う。


 もうちょっと感じがよかったらちゃんといい人に見えるんだけどね。


「そうね。あの2人の代わりにソラちゃんが来たって事にすれば…?」

エリカは無理矢理納得した。


「それじゃあ行こうよ。」

私は振り返り森の方を指す。


「そうね。」

エリカも私の後を追う。


 あと一つ気になってたんだけど


「スネイクってどこにいるの?」

するとエリカはどこかの芸人みたいにすっこける。


 実際にこんな風に転ぶ人っているんだね。


「知らないで行こうとしてたんだ…」

エリカは呆れた様子でスネイクの発生場所を教えてくれる。


 場所を把握した私たちは(実際は私だけだけど)その場所に行くことにする。


 そこまで歩いて行くが魔物は一匹もいない。

これもスネイクのせいなのかな?


 そのまま何もなくスネイクの発生場所に着いてしまった。


「ほんと何もいなかったわね。」

エリカがキョロキョロと周りを見る。


 スネイクすらまだいないなんて、どうなってるの。


「…あっちに何か気配が。」

私の魔力感知に何か引っかかった。


「ソラちゃんそんなこと分かるの?」

エリカは驚く。


「まぁ…ねぇ。」

神様のチートなんて言えないので濁して言う。


 するとその方向から何匹かスネイクが飛び出してくる。


「キャッ…スネイク!?」

ほんとに出てきて驚いている。

でも飛び出したスネイクをゼンがハンマーで弾き飛ばす。


「エリカ、支援魔法を。」

エリカは魔法を使おうと詠唱を始める。

…やっぱり遅いなぁ。


 私の魔力付与で速くならないかな?

やってみよ。


「魔力付与。」

手を伸ばし、小声で言う。

するとすぐに魔法が完成し、ゼンと私に全能力アップの魔法をかける。


「なんだか今日は調子がいいわね。」

嬉しそうに言う。

 成功したね。


 私は弾き飛ばされた方のスネイクを相手にする事になったので、神速で近づく。


 それにスネイクは驚き、逃げようとするけど逃がさない。

危うく噛まれそうになったけどなんとかその前にウィンドカッターで切れた。


「エリカーゼンーこっちは終わったよ。」

手を上に振って報告をする。


「こっちも終わったよ。」

手を振りかえしてくれる。


 そのまま発生場所をぐるっと回り、見つけたら倒していくと言った感じで進んでいった。


「うーん、ただ単に集まっただけなのかしら。」

スネイクは大体5匹以下の群れが多かったので、そんな予想をエリカはする。


「…あの上に何かある。」

ゼンが顔を上げ、指を指す。


 ほんとだ。明らかに何かあるね。


 そこは高い崖になっていて、その崖には擦れてる場所があり地面には何かが降ってきたかのような跡がある。


 これ、発生元がここって言ってるようなもんじゃん。


「でも高くて、あんな所行けないわ。」

エリカが報告だけしましょと言ってさっき倒したスネイクを解体してる。


 女の子なのに解体できるなんて凄いね。

私には到底無理だ。


「あんな所、空を飛べない限り無理よ。」


 …空、飛ぶ、…魔法。

っ!そうだ!スキルでどうにかなるじゃん!


 あと帰ったらどんなスキルが増えてるか見ておくか。戦闘中にピコーンピコーン鳴って集中できそうもなかったから切っておいた。


 魔力で擬似的に足場を作ればいい。そうすれば、空は飛べないけど、跳べるようにはなる。


「空、跳べるよ。」

私はエリカに向かって言う。


「だけど行けるとしたら私とエリカだけだけど。」


 行けないことも無いけどさすがにゼンのあの巨体を運ぶのはちょっと…


「…ほんとに?」


「ほんとに。」


「嘘じゃ無い?」


「嘘じゃ無い。」

そんな会話を繰り返すこと数分。ようやくエリカは行く決心がついた。


「…それじゃあ、お願い。安全にね、ソラちゃん。」

震えながら言う。


「はいはい分かってるよ。」


 私は身体強化をしてエリカをお姫様だっこの要領で抱え、ジャンプする。


「行くよっ!」

私は魔力を動かして、空に跳び上がる。私は上に一直線で走っていく。


「キャーーーーー!」

エリカは涙を浮かべながら叫ぶ。

…そんな怖いのかな?


「ついたよ。」

私は上についてエリカを下ろす。


「ソラちゃん、意地悪。」


これでエリカに少し嫌われてしまったかもしれない。


 


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