第2話 出逢い
「ねーねー。なんか新しい人明日から来るんだって」
桜の花が咲く少し暖かくなったランチタイム。今日はテラスでランチしよと同僚の杏が誘ってきた。
「そーなんだ。どんな人?」私が尋ねると、
「うーん。知らん」
「へ?知らないの?」
「うん。知らない笑。ただ、そんな話を聞いたたから
さ」
でた、杏のいつもの癖。とりあえず情報はいれるけど、詳細不明なのはいつもの事。わたしはまたかよ、と言って笑うと、杏もいつもの事でしょ?と笑い、わたし達はランチを終え、部署に戻っていった。
部署に戻る途中、わたしは杏に「空の写真撮ってから戻る」と声をかけると、「相変わらず好きだねー」とそう言いながら杏は先に戻って行った。
いつもの場所で空の写真を撮っていると、すこし離れた所で同じように空の写真を撮っている細身の背の高い男性を見かけた。
同じ趣味かな?と思いながら、ふとその男性を見ると彼も同じように思ったのか、わたしの方にふと視線を向けた。目があった瞬間なんとも言えない気持ちがこみ上げてきた。心の中がヒリヒリするような、暖かいような、、、。
「え、なにこれ?」心の中で思ったわたしは早足でその場を立ち去った。「なんだったんだろ、まさかの一目惚れ?いやいや、そんなはずない。一目惚れの経験なんてないし、そもそもわたし彼氏いるし、、、。まぁきっと気のせいでしょ」
そんなことを考えながら、わたしは自分のデスクに戻っていった。
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