第7話 訳アリな二人
僕はついでに泊まりに来た理由について尋ねる事にした。
「どうして若水さんは、僕の家に泊まりに来たの?」
そう聞いてみると彼女はこう話してくれた。
「実は、佐藤君のこと高校の時から知っていたの」
僕は検討もつかなかった。一体いつから知られていたんだろうか。
「私、秋星高校のオープンキャンパスに行ったの。それで君を見つけた」
確かに僕も行っていた。見られていたと思うと何だか恥ずかしくなった。
「それでね。親からも元カレからも離れたくて、頼れるのが君しかいなかったんだ」
その言葉を聞くと、なんとなく嬉しくなった。僕も親が厳しくて越してきた。
今まで頼られた事なんて無かった。不思議な感情だった。
どうやらお互いに闇を抱えていたらしい。やはり僕は依然変わりなく心配だ。
こんな可愛くてスタイルの良い女子と同棲生活をしている。そして今は彼氏がいない
これほどまでの好都合の状況に男として耐え抜けるだろうか。いや、耐え抜くんだ。
そう、心に決めた。好きになってはいけない。異性として見てはいけない。
自分の気持ちを押し殺すことにした。顔を見たら一目ぼれしそうだ。
僕は顔も気持ちも隠した。
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