ぐちゃぐちゃな僕は愛されたい
如月 魄鴉
第一章 日常の変化と歪んだ心
なぜ…?
起きたら女の子になっていた。
なんてことない日常、なんの変化もない毎日をただぼーっと過ごして終わる人生だと思っていた。
「なんで」
ただ一言、僕はそう呟いた。
僕は自分の事と昨日までのことを考える事にした。
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僕の名前は"如月 遥"…だったと思う。…自信ないな。
たしか昨日は、晩御飯も食べずに寝てた、はず。
コンコンコン
「お兄ちゃん。まだ起きてないの?土日だからってだらけてたらしんどいよ?」
すると、部屋がノックされて扉の向こうから妹の声が聞こえてきた。
僕は返事をしようと思ったが、自分の身体の状態を思い出してやめた。
僕がどうしようか迷っていると…
「お兄ちゃん、開けるよ?」
ガチャ
妹がまだ僕が寝ていると思ったのか、部屋に入って来た。
僕は慌てて掛け布団をかぶり、寝たフリをした。
「お兄ちゃん?まだ寝てるの?…もう、仕方ないなぁ。よっと…!?」
「え?え?誰?」
妹は驚いて混乱しながら聞く。
僕は冷や汗をかきながら、まるで今起きたかのように身体を起こした。
「ふあぁ、おはよう」
「え?あ、おはよう」
・・・・・
長い沈黙が部屋に訪れる。
僕は今気が付いたかのように自分の身体を確認し、困った顔(何も変わってない)をしながら妹を見た。
「え、っと。お兄ちゃん?」
「うん、なに?」
「どうしたの?それ」
妹が僕の身体を指しながら聞く。
「…さぁ?わかんない」
僕は改めて自分の身体を見回して、首をすくめながら答えた。
こうして普通を求め続けた僕の人生は歪んだ。
それがいいことなのか、悪いことなのかはこの時の僕にはわからなかった。
ぐちゃぐちゃな僕は愛されたい 如月 魄鴉 @kisaragihakua
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