ぐちゃぐちゃな僕は愛されたい

如月 魄鴉

第一章 日常の変化と歪んだ心

なぜ…?

 起きたら女の子になっていた。


 なんてことない日常、なんの変化もない毎日をただぼーっと過ごして終わる人生だと思っていた。


「なんで」


 ただ一言、僕はそう呟いた。

 僕は自分の事と昨日までのことを考える事にした。

__________________

 僕の名前は"如月 遥"…だったと思う。…自信ないな。

 たしか昨日は、晩御飯も食べずに寝てた、はず。


コンコンコン


「お兄ちゃん。まだ起きてないの?土日だからってだらけてたらしんどいよ?」


 すると、部屋がノックされて扉の向こうから妹の声が聞こえてきた。

 僕は返事をしようと思ったが、自分の身体の状態を思い出してやめた。

 僕がどうしようか迷っていると…


「お兄ちゃん、開けるよ?」


ガチャ


 妹がまだ僕が寝ていると思ったのか、部屋に入って来た。

 僕は慌てて掛け布団をかぶり、寝たフリをした。


「お兄ちゃん?まだ寝てるの?…もう、仕方ないなぁ。よっと…!?」


「え?え?誰?」


 妹は驚いて混乱しながら聞く。

 僕は冷や汗をかきながら、まるで今起きたかのように身体を起こした。


「ふあぁ、おはよう」


「え?あ、おはよう」


・・・・・


 長い沈黙が部屋に訪れる。

 僕は今気が付いたかのように自分の身体を確認し、困った顔(何も変わってない)をしながら妹を見た。


「え、っと。お兄ちゃん?」


「うん、なに?」


「どうしたの?それ」


 妹が僕の身体を指しながら聞く。


「…さぁ?わかんない」


 僕は改めて自分の身体を見回して、首をすくめながら答えた。


 こうして普通を求め続けた僕の人生は歪んだ。

 それがいいことなのか、悪いことなのかはこの時の僕にはわからなかった。

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ぐちゃぐちゃな僕は愛されたい 如月 魄鴉 @kisaragihakua

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