第2話 ホタル


今日は暑いな外に出てみよう

本庄さん

そういえばさ近くに小川があるんだけど行ってみない


時間が遅いのではないですか


大丈夫、近いから


それなら行ってみたいです


じゃあ行こう

ゆっくり、ゆっくりね

ここから段差があるから

おんぶするね


はい

もう少し

ほら

怖くないよ


少し怖いです


大丈夫だよ


ほら、着いたよ

ここに座ろう


はい


川の音が綺麗だね

ここはねホタルが来るんだよ


そうなんですね


もう少し暗くなってからかな


そういえば帰りが遅くなれば父に怒られます


大丈夫だよ

実ははさっき、お父さんから許可をもらったんだよ


健一さん

私は今、折り鶴を折ってるの


そうなんだ、折り紙が好きなんだね


そうじゃなくて

私は自分で歩くことができないから

杖みたいなものを付けています

悲しくて

どうして、私は普通の人みたいに自由に歩けないかな

辛いです、痛いです


そうなんだ


テレビで折り鶴を1000羽折れば

病気が治ると放送していました

それがきっかけで、毎日少しずつ折っています

今、15羽折りました

でも、まだまだ1000羽にならなくて


ああ、俺にまかせて

明後日には1000羽、折ってあげるよ


いえ、自分で折らないといけないの

でも、今日は1羽だけ健一さん折ってもらえませんか


ああ、もちろんいいよ

どうやって作るのかな


こんな感じです


難しいな

出来た


これでまた少しだけ歩けるようになります


よかったね


どうして泣いているの

鶴を折って本当に歩けるようになるのかな


最後の1000羽は俺が作るよ

そうしたら必ず治るよ

自由に歩けるようになるよ




ここの小川はホタルが来るんだ


そろそろ来るよ



ほら来た



肩の上にとまったよ



じっとしていて



ほら



わあ、綺麗



そろそろ帰ろうか



はい

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