守ってあげるよ~折り鶴 

虹のゆきに咲く

第1話 はかなさ

ほら、お母さん


どうしたの

あら鶴を折ったの

どうして


鶴を1000羽作ると歩けるようになるの

ひとつ作ってみました


明日までに頑張って10羽作ってみます

少しでも動けますように

お母さんどうして泣いているの


なんでもないよ

お母さん食事の準備しなきゃ


ひとつ


ふたつ


みっつ


疲れちゃったから、夜続きをしよう



そういえば、静香は明日から新しい学校よ早く寝なさい


はい

お母さん明日から学校で上手くやっていけるかな

大丈夫よ静香、先生に足のことはちゃんと頼んでおいたからね



病院にて


先生、静香の足はやはり自由に歩くことはできないのでしょうか


そうですね、残念ながら・・・

今までどおり歩行器を使わないと無理でしょう


先生、静香は足は治ると信じているのです

どうすればいいでしょうか


そこは何ともいえません



静香・・・




転校



今日から新しい友達ができました


はじめまして

本庄 静香と申します

今日から、よろしくお願いします


おお、可愛いじゃないか


本当だな



俺は山村健一

本庄さんはどこに住んでいるの


山路地区です


俺もだよ

一緒に帰ろうか   


はい


本庄さんはいつもそんな喋り方をするの


はい、父がしつけに厳しくて

丁寧に喋るように厳しく言われています


そうなんだ


やはり、おかしいですか


そんなことはないよ


優しい話し方でいいよ

俺なんかしゃべり方が変だって言われて

ぶん殴ってやったよ


健一さんは怖い人なのですね


大丈夫だよ

いじめられたら

俺に言ってくれ


はい、ありがとうございます

本庄さんは足が不自由だから大変だね


歩くのが辛くて


そっか

よし

俺の背中に乗って


いえ、恥ずかしいです

大丈夫だよ

じゃあ座るよ

ほら、背中に乗って大丈夫だから


はい


じゃあ歩くよ

いち・にい・さん




よいしょ


ありがとうございます

ただいま、お母さん

優しい友達がおんぶしてくれたの


静香、良かったね


はい


じゃあ、またね





タンポポ



よし、じゃあ今日もおんぶするから

ほら、よいしょ


健一さん、ありがとうございます

健一さんは優しいですね


そんなことないよ


いいよ

よし、今日もおんぶだね


ありがとうございます

転校して来て

とても不安でした

でも、健一さんが助けてくださって感謝しています


任せてくれ


ありがとうございます



そういえば、近くにタンポポが咲いていた行ってみよう

わあ、きれい

タンポポ積んでいいのかな

可哀そうだから3つまでにしよう


1つ目が私

2つ目がお母さん

3つ目が・・・・


お母さん近くの広場でタンポポを積んできました


見せてちょうだい

まあ、可愛いね



お母さんに1本あげる


もう1本は私


もう1本は・・・・



お母さんはタンポポは吹けば飛ぶのかな


飛ぶに決まってるでしょ


好きになるということはこういう気分なのかな


静香、あなた誰か好きな人いるんじゃない


いえ・・・


健一さん、受け取ってくれるかな


本庄さんベンチに座って何をしているの


健一さん・・・


どうしたの


タンポポは要りませんか


タンポポ・・・


要らないですよね


いや、実は俺はタンポポが好きなんだ

俺にも頂戴


はい


健一さん、タンポポは吹けば飛ぶのかな


ちょっと貸して


はい


ふうー

ほら、飛んだだろ


はい


半分残ったね


はい


本庄さん残りを吹いてみて


はい


ふうー


どう


はい、飛びました

半分ずつですね


そうだね

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る