デブリアイランズ②
シロトキオ国王って、この国の王がなんでこんな所に。王がこちらに近づいて来る。
「質問があるんだ、お手伝いくん、今日3柱のコモドが無残な姿で見つかったんだ、何か知っているかね」
威圧を空気で感じる。まずいな、ドモドはシラを切れるような奴じゃない。このままだと捕まっちまうか、処刑されちまう。沈黙が続くドモドは大粒の汗をかいている。仕方ない。
「あのトカゲの事ですかおじさん、怪物と間違えて討伐しちゃいました」
これで、ドモドは助かるはず、だがこの後どうする。ドモド驚いた顔でこちらを見る。
「よその国の方ですか?申し訳ありませんがその者はこの国の国民でして、あなたを法の権限で処刑させていだだきます。ブルドくん来たまへ」
王は静かに顔を強ばらせ、そう言った。すると地鳴りのような音と共に砂煙をあげながら、何かがこちらに向かって来る。犬の頭、闘犬種のような頭と3メートルはある筋骨隆々な人形の体、傷だらけの鎧、目が血走り興奮で湯気が立っている。
「3柱のブルド軍曹!!なんですか、あの姿は、あんな温厚な方がまるで化け物」
ドモドは思わず後退りしている、王はニタニタと笑みを浮かべている。ブルドって奴はどうやら前までこんな姿では、なかったみたいだ。あの異常な筋肉、もとから持っている能力なら、こんなに驚かない筈だ。つまり、まずはひとつ目かな。
「いやー最高ですね、自分に使わなくて良かったですよ、少し前Boxのカケラを入手しましてね。自分に使うのは恐ろしかったので、ブルドさんに埋め込む事にしました。ヒヒィッそしたら、あんな化け物に、面白い事に私の言う事は、まだ聞けるようで、さすが3柱、おや、迎えの馬車がきた、じゃあ私は行くよ。さようなら」
王は馬車に乗り込むと去って行った。地鳴りが近づいて来る。
「カタリさん下がっていてください」
ドモドは怪物を受け止めてるきでいるみたいだ。不可能に近い、このままだと2人とも地獄行きだ。何か打開策を。
「メイレイコロス、ミナゴロシ」
えげつないコンプラ違反叫びながら走ってくるなあの犬は。
命令が皆殺しって。あっ、いい事考えた。
「ごめん」
俺は立ち向かおうとするドモドの首を背後から思い切り叩いた。ドモドはふらつき仰向けに倒れ込んだ。ちゃんと効いたな。寝太郎に学んだ敵の急所をつく戦闘法がここで役に立つとは。さぁあとはちょっと痛いの我慢だ。
怪物は倒れたドモドの前に立つと困惑している。
「アデヒトリタオシタ?オレダッケ?ワカラナイ。モウヒトリコロス!!」
怪物はこっちをみると拳を振り上げ、認識するより早く俺の身体に接触していた。俺は風に吹かれた紙切れのように吹き飛ばされ、地面に倒れ込んだ。
「メイレイデキタ」
怪物は地面倒れ動かない2人を見ると、また地響きをたてながら遠のいて行った。
しばらくしてドモドが意識を取り戻すと倒れた俺をみて、こちらに向かって来た。
「大丈夫ですか、カタリさん」
大男に揺さぶられる方が死にそうだったので、俺は目を開け、立ち上がった。
「あれ、大丈夫みたいですね、何があったんですか? 急に意識がなくなって」
ドモドは状況を理解出来ず慌てている。
「ごめんドモド、俺が気絶させた、どうやら王の命令は俺たちの皆殺しだったみたいだから知能が下がっているあの怪物なら2人が倒れていれば命令は完了したと思い込むと思ってな、つまり死んだふり」
ただ肋骨にヒビが入ったかな、寝太郎との修行がここで、役に立った。全身の力を抜く事で強い力を受けても、受け流せる。あの怪物相手だと、どうなるかはわからなかったが、なんとか生き延びた。
「こんな、今日あったばかりの奴隷の命を救ってくれて、本当にありがとう」
地面につきそうなくらい深く頭を下げられた。その後、ドモドの友人がやっている宿があるらしく、そこで部屋を借りて一夜をすごした。早朝、Boxの破片を取り戻すと決めていた俺は、これ以上ドモドを巻き込まないよう、起こさず宿を出た。
デブリアイランズの地図を宿で手に入れ、国王の住む城の位置を把握出来た。あとはあの怪物を探して、どう破片を奪うかだ。
「3柱財務大臣、ポンド様のお通りだ頭を下げろ」
丸々と太った中年の男。こいつは、人間の頭をしている。祭り神輿のような物に担がれて運ばれ、民衆は道を開け膝をつき頭を下げている。俺もあわせて同じ事をした。
「シロトキオ王の右腕、ポンド様だー」
民衆の1人が感動のあまりか、叫んでいる。神輿はポンドの合図で叫んだ男の前に動いていく。
「ありがとな民よ。僕ちんがシロトキオの右腕だって、それは褒めてるのか?それとも馬鹿にしてんのかオラァ」
ポンドは腹の下あたりから、中世のような銃を取り出し叫んだ男の眉間を撃ち抜いた。なっ、こいつ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます