虚な小屋③

 赤ヘルはジェスチャーで丸をすると子供のように家からかけでて行った。


「なんで喋らないんですか?」


 ダルトは呆れた顔をしてこちらを見た。


「なんでも答えると思うなよ、自分で聞きな。きっといつか教えてくれる。それに赤ヘルのあの表情、ここが何処か教えてくれる顔してたろついていけよ」


 表情でよくわかるな、また嘘か?疑いながら、赤ヘルを追い外に出た。

 玄関の扉を開けると外は一面花畑、正面に巨大な滝があるが流れる水の音は一切しない。そこから伸びた巨大な骸骨がこの花畑を掬うように持っている。幻想的なんて言葉じゃ言い表せないほどの光景だ。

 花畑はそんなに広くはなく家が建っている後ろはもう絶壁だ。赤ヘルが花畑の端、骸骨の指の骨あたりから手を振っている。そこに向かうと赤ヘルは手を伸ばし下を指差した。骨の外、下を覗きこむと真っ暗闇、滝から流れる水も下まで落ちている感じはせず途中で消滅してるようだ。しばらく見ていると、滝から船が落ちて来た。落下先を目で追っていると、途中でパッと消えた。赤ヘルを見ると下を指差したジェスチャーの後に両手でバツをしていた。どうやら下は危ないと言う事だろう。

 そんな事を思っていると後ろから肩を押され、バランスを崩し落ちそうになったが赤ヘルがギリギリで体を支えてくれた。落ちたらあの船みたいに消えてしまうのかと冷や汗が出る。

 振り返るとそこには案の定ダルトがヘラヘラしていた。


「大丈夫か?落ちたら大変だぞ坊主、いやカタリ」


 確信犯だ。絶対にこいつが押しやがった。


「まぁまぁ詳しくは俺から説明しよう。ここは、忘れられた花畑。フラワーベット。シェルフスガーデンと虚無の狭間で、俺達の国だ」


 殺人未遂をごまかされたが、説明が重要なのは間違いないので聞くしかない。


「シェルフスガーデンの地形は円形平らな地盤の上に海がありその上に島や大陸、現17ヵ国がある。そして地盤から外れて落ちると、それがなんであれ下の虚無に落ちて消える。ここまでは、常識だ。だが唯一地盤の外、自称、地図にない国がここフラワーベット」


 なんかかっこいい。厨二心くすぐられる。


「でもなんで、そんな事ができるんですか?あとこの骸骨何?」


 疑問をぶつけると、赤ヘルとダルトは少し悲しそうな顔をした。


「それはな」


 ダルトが説明しようとすると地面が大きく揺れ、今度は全員バランスを崩して落ちそうになったがなんとか持ち堪えた。いったん深呼吸をして周りを見回すと3mはありそうな大男が花畑の真ん中に現れた横にも大きく相撲取りみたいだ。


「おーい、ただいまー、散った宝具のえーとなんだっけ、そうだ、Boxについて調べてきたど」


 言葉に訛りが強く声がでかい。また変なのが来た。

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