12月xx日 おやつ

あゆみはケチだ。

お腹が空いたと訴えると、カリカリしかくれない。

毎日カリカリばかりで飽きた。

おやつが食べたい。


今日は、あゆみに強く訴えることにした。

あゆみがいつものようにカリカリしかお皿に入れてくれないから、無視することにした。お腹は減っているけど、我慢、我慢。

カリカリを食べなければ、あゆみは心配して、おやつをくれるに違いない。


思った通り。あゆみが心配している。

「どうしたの?なんでご飯食べないの?」

うつむく僕。計算通りにあゆみと目を合わせない。

「あずき、お腹痛いの?どうしたの?さっき散歩行ったときに変なものでも拾って食べちゃったかなあ?今日の夜はとり肉をあげようと思ったけど、お腹壊してたらいけないしなあ。とり肉は今日は中止だな。」

ちょっ、ちょっと待て!

とり肉だって!!とり肉を逃してなるものか。

そうだ、あゆみにヒントをあげよう。

僕は、ゆっくりと顔をあげてあゆみの方を向き、あゆみがわかるように、そっと視線をおやつの箱に向けた。


あゆみは僕の視線を追い、「これ?」って顔をした。

僕はゆっくり、大きく頷いた。


やっと僕の気持ちを理解したあゆみは、

「ダーメ。ご飯食べない人にはおやつなんてあげないよ〜」

そう言って部屋から出て行ってしまった。


ちぇっ、作戦失敗。あともう少しだったのに・・・。


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ワンワンダイアリー @ErichanDX

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