オワリミキョウネン~ソウマ~
霜月ふたご
「00」思うところ
悪いが、俺には記憶というものがない。
記憶喪失──というのとは、少しばかり勝手が違うように思う。確かに、意味合い的には似ているだろう。
俺の記憶にも過去というものがなかった。
ただ決定的に違うのは、俺にはこれから先──今後起こる未来の記憶を既に持ち合わせているということである。それが記憶喪失とも言い合わせない要因となっていた。
──なんだかややこしい話であるが、俺の人生は普通の人間たちのそれとは異なる時の流れ方をしていた。
通常、時間は先へ先へと進んでいくものであるだろうが、俺の人生だけは逆行していた。
そんな俺の人生は、まず終わりから幕を開けた──。
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