その他国家・地域等

 ・オン・ダ・ノーラ神国

 広大な砂漠を領土とする大国。首都は聖都ソラン。

 カラーフラ教を国教として成立した国であり、聖都ソランは聖地でもあり、神殿には主神エカルラトの巨像が置かれる。なお、カラーフラ教は教義によってキメラリアやデミを悪と断じているため、奴隷以外の存在は一切認めておらず、コレクタユニオンやバックサイドサークルでさえ完全に違法な存在とされている。

 植物資源に恵まれない砂漠にありながら、井戸水を地下水路から引き込むオアシス農業が発達しており、食糧事情はカサドール帝国よりも潤沢。建築には主に砂岩が用いられ、特徴的な街並みを形成している。



 ・パセタ

 ユライア王国より東方に位置した小国。首都はカネン。国力に勝るユライア王国に対し、周辺の小国と連合することで対等の立場を維持してきたが、自然出現したミクスチャ『割れて増える者』の襲撃を受けた際、連合諸国からの援護を得られず孤立し、単独で交戦した末滅亡した。



 ・グラデーションゾーン

 カサドール帝国とユライア王国の間に存在する、乾燥地帯から草原帯へと急激に変化する地域。国境緩衝地帯であると共に、長らく両国間の前線であったため集落は存在しない。ロックピラーから続く涸れ川ワジが存在し、季節性の降雨によってのみ幅の広い河川が発生する。常に水がある訳ではない上、戦争国同士の国境地帯であったことから、長く架橋が行われておらず、増水時には交通が遮断され軍隊の移動も不可能となっていたが、カサドール帝国軍が行った降雨直後の奇襲作戦によって頑丈な橋がかけられた。同時に河川東側に前哨基地が設置された。



 ・レッサーグラデーションゾーン

 カサドール帝国とオン・ダ・ノーラ神国の間に存在する、荒地から砂漠へと変化する地域。こちらも国境緩衝地帯だが、グラデーションゾーンと違って少数の流浪民族が居住している。フラットアンドアーチと接する東部地域には僅かながら森林や水源が存在しているが、ブラッド・バイト本来の生息地であるため危険であり、両国共に入植も調査も行っていない。そのため、両国に追われたカニバルが隠れ住むとされる。



 ・ベル地中海

 カサドール帝国の北東部、ユライア王国の北部、リンデン交易国の南部と接する内海。東の焼けた大地とリンデン交易国の間に海峡があり、外海と繋がっている。非常に凪いだ海であり風がほとんどないことから、交易や軍事行動は帆船ではなく櫂船に頼っている。大型船の航行は容易であるものの基本的に水深はあまりなく、海底は平坦であるとされている。これは神代に陸地だった名残の可能性が高い。全域で近い陸地の環境に影響を受けており、特に北部はリンデン交易国同様に深い霧の発生が多発している。



 ・焼けた大地

 ユライア王国の北東部、リンデン交易国の南東部と接する危険地帯。遠目から黒い地面が目立つことと、立ち入った者が誰も帰らないことから、そう名付けられている。帰還者が居ないため、地域で何が起こっているのかは不明であり、危険であることから大々的な調査も行われておらず情報がない。



 ・ハーコート集落群

 過去、レンド地域に存在した集落の集合体。様々な種族の寄り合い所帯であり、集落はそれぞれ独自法を敷いて統治されていた一方、外交や交易、防衛などにおいては集落首長を集めた会議によって決定がなされていた。

 カサドール帝国から侵略を受けて戦争を起こしたが、隔絶した兵力差に加え、各集落における考え方の違いによって足並みが揃わず敗北、消滅している。最後の大首長はフォンティヌ・シャールル。



 ・リロイストン首長国

 カサドール帝国の崩壊に伴い、旧ハーコート集落群地域で新たに起こった新興国家。大首長はプラティガ・シャールル。政治体制はハーコート集落群時代の物を引き継ぎながら、各集落の私兵軍とは別に独立した軍を保有していたり、議会決定が各集落の内政に対し一定の強制力を持つなど、より洗練された物になっている。地域的に隣接するユライア王国とは友好関係を維持している他、ネッサ自由国にはユライア王国と共に委任統治を認めており、婚姻による強固な同盟関係が画策されている。

 また、コレクタユニオン・リロイストン派の勢力をそのまま取り込み、コレクタユニオン本部からの独立を宣言したことで、コレクタの活動を行う独自勢力として拡大しつつある一方、コレクタユニオン本部との関係は冷え込んでいる。また、レンド以西の地域に関しても領地としてはいるが、レンド地域内の安定に全力を注がねばならない影響で、完全に放置され無法地帯となっている。



 ・ネッサ自由国

 カサドール帝国の崩壊に伴い、ノーリーフ北部から北国境までの地域に生まれた新興国家。ユライア王国及びリロイストン首長国から委任統治を任される属国であり、総督はフランコ・エフレイム=カサドールが務める。

 敗戦によって散り散りとなったカサドール帝国勢力残党の受け皿という役割を担っており、その旗頭として皇家と遠縁の血族であるフランコ・エフレイム=カサドールが選ばれたという経緯がある。

 現在は戦災難民の受け入れを行うと共に、農業改革に力を入れており、食料生産の安定を喫緊の課題としている。また、軍事面においてエリネラ・タラカ・ハレディを将軍位がついた他、旧ハレディ麾下第三軍団もその配下として活動させることで、地域の治安回復とカサドール帝国残党勢力の吸収を同時に行っている。

 なお、リロイストン首長国とは婚姻による強固な同盟関係が画策されている。




【神代の地名】


 ・企業連合

 800年前に存在し、世界の3分の2を占めたとされる超大国。

 資本主義経済と自由貿易を掲げ、国家を巨大企業の集合体が運営していた。首都はショコウノミヤコ。最後の国家元首は一色巽。国家が非常に巨大であったことから、中核部以外の地方は自治州で構成され、独自法によって統治が成されていた。しかし、経済を中心とする姿勢は共通であり、表では平等公平を謳い生活格差の是正を試みていたものの、裏では経済発展及び進歩に対する非人道的な行為を黙認していたため、所属する企業も倫理感に大なり小なり闇を抱えていたとされる。これらの秘密行動に反発する運動組織も存在し、自治領の独立や共和国への合流を叫んでいたが、経済活動の障害となる因子として排除され続けていた。文明崩壊によって滅亡。



 ・ショコウノミヤコ(曙光之都)

 800年前に存在した企業連合首都。環境遮断天蓋『ホシノアマガサ』に守られていたメガシティであり、地上部は高層ビル群が広がり、地下には広大なジオフロントが作られていた。文明崩壊による禁止兵器の攻撃を受け、ホシノアマガサの支柱だけを残して破壊された。現在はフラットアンドアーチにその残骸を残している。



 ・玉泉重工技術研究書

 玉泉重工が兵器開発を行っていた中心的施設。ショコウノミヤコより車などでおよそ1日の距離にあり、新型マキナの開発もここで行われていた。しかし、共和国の画策したテロ攻撃によって大きな被害を出して閉鎖。一切の機能はショコウノミヤコのジオフロントに移された。



 ・共和国

 800年前に存在し、企業連合に属さない諸国が合流して生まれた第2の大国。

 民主議会制国家であり大統領制を敷いており、企業連合のやり方に対する反発から、市場経済と国政は独立した物であるとして、表では基本的な自由民主主義国家として存在していた。一方、長期化する戦争の影響から民主議会の機能が硬直、本来定められていた任期を無視する形で大統領が強権化しており、民主国家を名乗りながら実体では独裁主義に近い政治形態となっていた。また、企業と政治家の癒着が横行しており、独立した企業でありながら半ば国営化されているような状況も多発。国民への締め付けが年々強化されていることから、内部では反政府ゲリラ組織の活動が活発化していた。文明崩壊によって滅亡。

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