司書の谷・ガーデン

 ・スクールズ

 種族:現代人間(司書)

 年齢:38歳(司書の谷独自歴準拠)

 性別:男性

 身長:177cm

 【概要】

 司書の谷を守る警備隊長。水走鳥マイリッチを駆る騎獣兵。

 整えられた馬蹄形の髭と司書の特徴である金髪、翠色の瞳が特徴。顔の輪郭は面長型で目と口が大きく、体はガッシリとした筋肉質だが、肩幅は平均的。

 普段は全身板金鎧に身を包み、面頬が稼働する兜を身につけて仕事に当たるが、祭りなどの際には大きなモヒカンのついた兜に、極彩色の羽で装飾された派手な鎧を着込む。恭一はその見た目を南国の鳥と称したほど。

 ロール家とは家族ぐるみの付き合いがあり、シューニャのことも幼い頃から知る人物。基本的には派手好きな気のいい中年あり、恭一やダマルからはコメディアンではと思われるほど感情表現が激しく表情豊かであることから、谷の子どもからも人気が高い。一方、優れた槍使いとして司書の谷においては有名で、警備隊長を務めるだけあって武勇上位に食い込む実力者。そのためアルト・リギ二クラウスからの信望も厚く、護衛を担当することも多い。

 既婚者であり、妻1人に対し夫2人という重婚を成している。友人間で同じ女性を愛した三角関係が発展した形で、もう1人の夫を兄弟と呼ぶなど、基本的に家族仲は良好な模様。その関係性から、恭一に重婚に関するアドバイスを与えている。



 ・アルト・リギ・ニクラウス

 種族:現代人間(司書)

 年齢:59歳(司書の谷独自歴準拠)

 性別:男性

 身長:170cm

 【概要】

 司書の谷を代々守り続けてきた管理官一族の現当主であり、同地域における絶対者。

 司書の特徴である金髪と翠色の瞳を持ち、顔立ちは堀が深く眉も濃い他、年齢以上の皺が刻まれている。髪型は癖のある長髪。体格は中肉中背だが、普段は厚手のローブに身を包んでいるため、顔立ちと背丈以外は非常にわかりにくい。鎧は身に着けないものの、武器としては儀礼用の剣を腰に携えている。

 性格は厳しく見られがちだが、長として振る舞うために形成されたもので、元々は気さくな子ども好きだった。ただ、谷における一切の司法判断を下せる立場にあることから、過去には重大な掟破りとなる封印の扉へ近づいたことを理由に、幼いシューニャへ躊躇わず死刑判決を下しており、掟に対しては非常に厳格な姿勢を持つ。一方、ロール家及びそれに連なる人々からの嘆願と幼さを理由として情状酌量を認め、死刑から追放へと減刑した上で成人までの猶予を与えるなど、掟一辺倒の人物というわけでもない。シューニャを吊るさなくて済んだことを、内心では安堵していたとも伝えられている。

 逆に掟とは関係のない範囲においては歴代よりも柔軟であると評されており、近年ではチッキ商会を通じたリンデン交易国をはじめとする外部との接触も活発化しつつある。その影響からスノウライト・テクニカの封印を解いた者が居るという情報を得て、太古より約束された来るべき人物である可能性から恭一たちを呼び寄せることができた。

 恭一たちが封印を解放した後は、掟に従って長としての立場と権利一切を譲り渡し、自身は宰相的ポジションに降りるつもりだったが、恭一が権力の移譲を拒んだ上で導師という名誉職を創設したことにより、その後も司書の谷の指導者であり続けている。

 妻子持ちだが、家族や血縁関係についての詳細は不明。



 ・パシナ

 種族:オートメック

 稼働期間:800年超(新共通歴準拠)

 全高:120cm

 製造元:玉泉産機(玉泉重工グループ)

 【概要】

 リッゲンバッハが個人的に所有していたオートメック。

 素体は企業連合軍で最もポピュラーだった玉泉産機製GI-M220R型オートメックだが、コスト度外視かつ趣味的な要素まで含めた改造がなされている。

 アイロンと称されるボディの中央には、レールに沿って稼働するアイユニットが元々存在しているが、センサー機能の向上に伴い大型のものに置き換えられている他、メンテナンスアームや脚部ユニットも強化されており、オートメックにしてはかなり機敏な動きを実現している。一方、万能性を求めて、本来は工具が備わっているアームがマニピュレーターに交換されているため、様々な機械を操れる一方で基礎的な整備能力や作業効率は低下している。外殻はステルス塗装が施されているため、ほぼ全体が黒1色で統一されている。

 内部的には高度な人工知能と様々なプログラムを搭載する目的で、大幅なデータストレージの増設と通信機能の強化が図られており、千種級エアクッション艇や装輪装甲指揮通信車レグホーンなどを自在に操ることが可能。ただ、余計なプログラムを詰め込みすぎて容量が不足した影響で、GI-M220R型オートメックに標準装備されている発話機能が削除されており、応答はジェスチャーや信号音、発光信号などで行っている。

 過去には千草級エアクッション艇白藍を操船し、リッゲンバッハと司書の祖先となるキメラリアやデミたちを神代に建造されたテクニカから脱出させており、リッゲンバッハがプログラムに人格を移植して他界した後は、800年に渡ってガーデンを正常な状態に保つため、他の自動機械たちを指揮し続けていた。なお、人格プログラムは設定されていないが、800年もの長期稼働により自我を持っているような行動をとることがある。



 ・カール・ローマン・リッゲンバッハ

 種族:機械(人格コピープログラム)

 稼働期間:800年前後(新共通歴準拠)

 【概要】

 カール・ローマン・リッゲンバッハの生前人格を移植された高度自律型プログラム。

 生前の性格や思考パターンを極めて忠実に再現しており、恭一の無事に安堵し、ポラリスの出現に困惑したりと、感情パラメータまで含めてかなり人間臭い。

 ガーデンの中枢システムにリンクしており、施設内の機器ならば自由に稼働させることが可能である他、衛星通信やロボットを使って外部に干渉することも可能。

 恭一たちに物資を提供した後も支援を続けるため、稼動が可能な古代施設や人工衛星の捜索を行っていた。そこで待機状態を維持している企業連合軍戦略衛星『天雷』へのアクセス権限を獲得に成功。残されていたレグホーンにリンクシステムを構築し、パシナとサンスカーラに恭一の元まで届けさせている。

 【人物の詳細は神代人・故人の項目を参照】



 ・サンスカーラ・フォン・ロール

 種族:現代人間(司書)

 年齢:24歳(司書の谷独自歴準拠)

 性別:女性

 身長:167cm

 【容姿】

 司書の特徴として金髪と翠色の瞳を持つ。髪質は癖が無く、長さは肩甲骨の下程まであり、先端付近を髪飾りで纏めている。顔立ちはシューニャと非常に似ているが、やや目が細く、口角が上がり気味で口も大きい。一方、体格は真逆であり背が高く、女性的な凹凸もハッキリしていてスタイルがいい。また、踊り子という職業柄体形維持には気を使っており、腰回りのくびれが目立つ。

 服装は胸周りだけを覆うチューブトップ状をした深い赤色の布巻きに、スリットの深い薄紫色のロングスカートを着用し、足元には編み込みの革サンダルを履く。これは踊り子としての簡易的な衣装であり、仕事中はこの上から多くの装飾品や煽情的な薄衣を身に着ける他、儀礼行事の際には金装飾の施されたビキニパレオ状の衣服と

 パンプスに似た靴も着用する。防具類は一切身に着けない。

 武器は先端が少し湾曲しているダガーナイフを2本、左右太もものシースに差して携帯する。


 【人物】

 シューニャの実姉であり、司書の谷の酒場で踊り子として働く女性。基本的な一人称は私だが、シューニャの居る場面ではお姉ちゃんと自称することの方が多い。

 幼少期から妹であるシューニャを目に入れても痛くない程に溺愛しており、人付き合いが得意ではなく同世代から白い目で見られることの多かった彼女を、身を挺して守り続けていた。また、掟破りを理由にアルト・リギ・ニクラウスが下した死刑宣告を、あらゆる方面に力を働かせて覆させた中心人物でもある。

 性格は明朗快活で行動力があり感情表現が派手。人付き合いも非常に得意であり、酒場では名の売れた踊り子として人気も高い一方、少々思い込みが激しく周りを困惑させるほどの感情爆発を起こすこともしばしば。ただ、長い付き合いの者達はよく理解しているため、むしろ静かにしていると不安の声が上がる。

 物事にシューニャが絡むと急激に冷静さを失い暴走することが多く、ファティマやマオリィネたちを1人で翻弄し足止めする程の驚異的な身体能力を発揮することもある。逆にシューニャから相手にしてもらえない状況が続いたり、長く離れていたりすると明らかに消沈していく。そのため、彼女の追放後しばらくは抜け殻のようだった。

 恋愛面においては重度のシスコンから昇華した女性好きを公言しており、基本的に男性への興味が薄い。一応は全く興味がない訳ではなく、相性のいい人が居ればという願望も持ち合わせているが、可愛い女性が居るとそちらへ釣られてしまうため、男性との関係が発展したことはない。ただ、行き遅れに関しては気にしており、恭一がシューニャを含めた5人との重婚を考えていることを知ると、可愛い女性の中に混ざりながら行き遅れも解消されるという理想を抱き、囲ってもらえるよう懇願していた。なお、1番はどう足掻いてもシューニャだが、マオリィネやポラリスも好みであるとも語っている。

 戦闘は本職ではないものの、高い運動能力とシューニャを守る姉としての矜持から、2本のダガーナイフと足技を主体とした戦闘スタイルを確立している。特にその姉としての重大目標があった祭りの演舞では、警備隊長のスクールズに勝る程の技量を発揮して見せるなど、戦士としての実力も本物。



 ・アドーサ・フォン・ロール

 種族:現代人間(司書)

 年齢:43歳(司書の谷独自歴準拠)

 性別:女性

 身長:149cm

 【概要】

 シューニャとサンスカーラの母に当たる人物。専業主婦。

 40代とは思えない童顔の持ち主であり、背格好もシューニャとサンスカーラを足して2で割ったような見た目をしていることから、サンスカーラ以上にシューニャの姉のように見られがち。

 物腰の柔らかい女性で、娘たちの成長は自由意思に任せる放任主義を貫いている。ただ、その優し気な雰囲気に対して、サンスカーラの首根っこを掴んでニコニコしながら引き摺ったりするなど、身体能力は見た目以上に高い。

 姉妹の事はそれぞれちゃん付けで呼んで可愛がる一方、夫であるティムケンとは相思相愛の関係を維持し続けている。



 ・ティムケン・フォン・ロール

 種族:現代人間(司書)

 年齢:49歳(司書の谷独自歴準拠)

 性別:男性

 身長:175cm

 【概要】

 シューニャとサンスカーラの父に当たる人物。文官としてニクラウスの下で働いている。

 司書の特徴である金髪と翠色の瞳を持つが、娘たちへの苦労から頭髪には白髪がかなり多く混ざっている。顔の作りは長方形型をしており目が細く、サンスカーラとは比較的似ている部分があるものの、シューニャと外見的に似ている部分はほとんどない。

 口数の少ない寡黙な男性であり、日ごろから渋い表情を崩さず、感情表現はあまり得意ではない。

 家族の中では、暴走しがちなサンスカーラや状況を悪化させがちなアドーサに対する重要なストッパーを務めている。しかしその一方で、娘2人の自由意思を尊重する教育方針はアドーサと共有しており、シューニャの恋についても反対することなく認めている。同時に、アドーサのことも不器用ながら心から愛しており、シューニャと恭一の関係を若い頃の自分達に重ね合わせていた。

 事務職を長く務めているため運動能力は高くないが、拳骨の威力はすさまじく、サンスカーラを一時的に行動不能に陥らせる程。

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