第15話 レベルが上がってた
「ん?」
マロンはステータスを見て異変に気付いた。
経験や再生の項目に注視していたために完全な見落としである。
プレイヤー名:マロン
種族:ボディコニアン(幼体)
139cm 29kg
レベル:5 (1→5)
HP:125 (105→125)
MP:129 (105→129)
筋力: 5
体力: 5
知性: 17
敏捷: 5
器用: 5
魔力: 7
魅力:375 (355→375)(装備+45)
手動振り分けステータスポイント 20(いつでも振り分け可能)
称号:はじめてのオプション(HP・HMを除く全ステータス+5、はじめての珍種(魅力+50)、世界で初めての処女喪失(魅力+50)、初めての処女〇再生(魅力+50)
ステータスに依存して数値の増えるHPやMPは、装備を除いた自身のステータスがベースとなる。
マロンで例えれば、HPは体力に依存するため、体力が5のマロンはレベル1につき+5されている。
同様にMPも魔力に依存するが、レベルが2と4になった時に魔力が+1、レベルが3と5になった時に知性が+1増加している。
そのためレベルは一つ上がるにつき+5、+6、+6、+7と加算されていた。
これは職業に治癒士を選んだ事による職業ボーナスによるものである。
次にステータスであるが、ボディコニアンの特性につき自動振り分けポイントは魅力しか上がらない。
その魅力についてはレベル1につき5上がっているため、レベルが4上がった事で20加算されている。
この時点ではまだマロン自身は気付いていない。
ニューワールドにおいてレベルアップする条件は、通常プレイヤーの場合は魔物を倒したり、特定の仕事やクエストをクリアした報酬等で上がる。
しかし一部ランダム種族で得られる種族はその範囲外にある事が多い。
ボディコニアンという種族に掲載されてある二つの項目だ。
経験と再生……
マロンはこれらによって経験値が増大されていたのである。
「レベルが上がるような事してないのに……」
マロンはログを確認する。ログアウトしても、自信のログだけは記録されているので遡って確認する事が可能であった。
トリスに無理矢理されてレベルが3、治癒の踊りの効果で再生してレベルが1上がっていた。
ドンドンドン
小屋の扉を叩く音が響く。
シンシアが扉の方向を向いて「わふっ!」と威嚇をしていた。
「あ、トリスの事すっかり忘れてた。シンシア、トリスは敵じゃないから攻撃しなくて良いよ。」
「でも、私が許可を出した時は遠慮なくガブッとやっちゃって良いからね。」
マロンはシンシアにトリス取扱説明書として、対応を言い聞かせた。
頭を撫でられてシンシアは「わふわふ♪」と気持ちよさそうに返事をしている。
「あ、ありがとー」
トリスは再び入室の許可を得た事でマロンの小屋に入る。
マロンも同じ轍は踏まないよう、例のポーションをドリンク代わりに出す事はしない。
マロンはログインしてからの事……経験と再生の事とレベルアップの事をトリスに話した。
「へぇ、それは随分特殊だねー。って私もその、マロンを襲った事でレベル上がってたんだよね。」
トリスのレベルも5に上がっていた。
元々トリスはレベル3であったが、マロンを襲った事でやらしい意味での経験が1となりレベルが2上がったというわけである。
先程小串が喫茶店で伝えたステータスは、あくまでレベルが1だった時のものだった。
プレイヤー名:トリス
種族:射手見習い
134cm 32kg
レベル:5 (1→5)
HP:180 (100→180)
MP:535 (100→535)
筋力: 14(装備+5)
体力: 20
知性: 20(装備+10)
敏捷: 0(装備+10)
器用: 20(装備+5)
魔力:120(装備+20)
魅力:100
手動振り分けステータスポイント 20
スキル:初級火魔法、初級水魔法、初級風魔法、初級土魔法、魔法矢生成(小)
固定スキル:ふたなり化(及び解除)、絶倫、命中精度超上昇
種族固有ステータス:
称号:世界で初めての童貞喪失(魅力+50)、世界で初めての処女喰い(魅力+50)
トリスはエロフの種族特性でレベルが1つ上がるにつき魔力が5加算される。
射手見習いの職業特性で器用と筋力が、レベルが4つ上がる間に合計14加算されている。
「なんだ、トリスもレベル5なんだ。これはあれだね、
「勘違いのないように言っておくけど、私もマロンも人外に片足突っ込んでるからね。ランダムで激レア種を引いた私達だからこの数値なんだからね。」
そのためステータスを他人にひけらかすと、妬まれる元になるとトリスは忠告した。
例え公式掲示板等であってもそれは同じである。
普通に始めた人が三桁に達するにはそれこそ極振りをしないと難しい。
このままプレイを続けると、マロンは魅力の化け物に、トリスは魔力とMPバケモノになる。
「あ、そうだ。トリス、作成したアイテムとかって売れるのかな?」
マロンは例のポーションをいくつか見せてトリスに聞いた。
「あんた、そのポーションを売る気?あのヤバイ媚薬成分入りの?」
本人が付与したくて出来たものではないので、マロンはそんな事言われても知らんと思っていた。
回復自体はするのだから、何かしら需要はあっても然るべきだとも思っている。
「今後色々作ってみようかなと思ってるんだよね。私は攻略よりは、物を作ったりしてまったりもふもふ派でいくつもりだから。」
「あ、もちろんトリスと一緒に冒険するつもりでもあるから、ある程度は強くならないといけないとは思ってるよ。」
フィールドやダンジョンなどでは敵や魔物が跋扈している。
それらから身を守ったり、時には進んで倒しにかからなければならない事は避けては通れない。
しかし魔物等と戦うと言っても、後衛であるトリスと回復・支援系のマロン。
シンシアが前衛を賄う事は可能ではあるが、タンク的役割を果たせる味方がいないのは事実。
仲間か仲魔が必要だと実感しているが、まだ全然冒険してない事と、マロンの社交性の低さからいつになるのかわからない。
「町等でお店を開くか、オークションに出品という形があるけど……」
店を開く場合、商業ギルドという組合みたいなものに登録しなければならない。
システムの都合上勝手に店を開く事は出来ないが、設定として勝手に店を開いている場合、見つかった時点で衛兵に捕縛されてしまう。
他の事でもそうなのだが、態と捕縛されて牢屋プレイをするプレイヤーもいるかも知れない。
少なくともベータテスターの中には数人存在していた。
つまりは穴は探せばあるし、偶然でもそういった状況は作り出す事が出来る。
仮にマロンが店を出す事があるとすれば、きっと大人なお店になる事がトリスには見えていた。
今はあのポーションしかないが、絶対にもっと何かやらかすだろうと。
これまでに流れたワールドアナウンスの半分くらいがマロン一人のものなのだ。
これで打ち止めとは、トリスには思えなかった。
「そうなんだ。じゃぁある程度作れるようになったら利用してみようかな。」
マロンにはアイテム作成のアテがある。ナビ子から貰ったあの説明書である。
つまりはトリスが懸念するやらかすネタがあるという事である。
「その前に……町ってどこよって感じだよね~。」
トリスの言葉にマロンはorzと崩れた。
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