何度だって、君に恋をする
@omami
いらっしゃいませ
「いらっしゃいませ!!」
僕は伊藤 秋好(あきよし)。
繁華街のちょっと外れにある料理店で働いている。
オーナー兼店長である。
「2名様ですね。お席ご案内致します。」
今日は日曜日。
昼からずっと忙しく、動きっぱなし。
(腰痛……)
「店長、今日も美味しかったよ。また来週来るね!」
「ありがとうございます!またのご来店お待ちしております!」
痛いなんて言ってらんないな。
忙しいのはまだまだこれからだしな…
「あき、大丈夫?」
「育。何が?」
「腰。痛いんじゃないの?」
「お見通しかよ……」
こいつは伊藤 育(いく)。
この店の副店長である。
幼稚園からの幼馴染みで、小、中、高ずっと一緒にいる。
そして、高校卒業後も同じところで働いてて、気づいたらもう40歳。
どんだけ一緒にいんだよってぐらい一緒にいる。
「今日帰ったら湿布はってあげるね」
「ありがとう」
「あともう少し、頑張ろ。でも、無理な時は声かけてね?」
「うん。」
僕が何も言わなくても、全部分かってくれる。
とても大事な人。
(今日もカッコいいな……)
目の保養はしたし…
よし、頑張ろう!
*閉店後*
「ありがとうございました!またお越し下さいませ!」
「あき、お疲れ様~」
「育もお疲れ様」
最後のお客様が帰られて、お店を閉める。
「今日も相変わらず忙しかったな」
「そうだな、途中記憶がねーし、腰は痛いし……」
育と話しながらキッチンへと向かう。
「2人もお疲れ様。今日は忙しかったね」
「店長、お疲れ様です!」
「あきさん、お疲れ様です。」
僕を店長呼びするのが、加藤 愛子(あいこ)ちゃん。
アルバイトで女性はいるけど、正社員の女性は愛子ちゃんだけ。
とっても元気でよく動く子で、常連さんからも人気がある。
あきさん呼びするのが、佐藤 和春(かずはる)君。
かずも正社員でちょっとクールで頼りになる子。
まだまだ若いから体力もあるし、いっぱい動いてくれる。
キッチンのことは彼に任せっきりだ。
「2人とももうすぐ終わりそう?終わったらあがってね」
「ね、店長!今日の夜ぐらいに副店長に見とれてたでしょ!」
「え!何で知って……て、見とれてないし!」
「あき、僕は嬉しいよ」
「だから、見とれてないっ!」
(本当は見とれてたけど)
「お二人は本当にラブラブですね!私まで嬉しくなっちゃいます!」
そう。
僕と育は付き合っている。
そして、愛子ちゃんとかずはこのことを知っていながらも、嫌な顔をせずに、むしろ応援?してくれている。
「俺も、お二人が幸せそうで、何か嬉しいです。」
「かずまで……」
「だって。あき、僕たち愛されてるね~」
「話はここまで!早く片付けて帰るよっ!」
「「「はーーい!」」」
(早く帰って育に抱き締めてもらいたいっ!)
今日の片付けはとても捗った。
*続く*
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