第5話 映画「ユンヒへ」雪の日の静謐さに隠された愛
あらすじ 小樽で叔母と暮らすジュン。何かあるとついつい両親の離婚前、韓国での青春時代に愛したある人への手紙を書いていた。韓国に住むユンヒ。夫と別れて娘と二人暮らし。社内食堂スタッフで働く中で過去の出来事ゆえに苛立ちを感じつつ時折昔愛した人の事を思わずにいられなかった。そんなユンヒは高校卒業する娘の願いで雪の季節の小樽へ旅をした。
二人の関係が咎められた故に一方は手紙すら書けずに思いを巡らずだけの中でもう一方は手紙を書いても出せずに仕舞い込んでいた。そんな手紙を目にした人が彼女の思いをそれとなく察する故に投函したら。そんなちょっもした思いが20年前に凍結した思いを動かし始めるそんな様子を描いた作品。
同性愛に対する家族の偏見、子どもにとっては唐突に訪れる両親の離婚などあった上で韓国と日本の二人を繋ぐ関係性の謎が置かれる。静謐で隠微とでもいうべき静かな作品の中で凍りついた二人の感情が溶けていく。
大きな言葉の物語ではありません。ただ二人が再会してほんの少し先の歩き始める瞬間を描いている小さな物語ですがその中に社会の持つ偏見を信じて家族に対して酷い仕打ちをする人や愛しているにしても一緒にはもう暮らせない関係に変化した夫婦の選ぶ道などが置かれる。娘が叔父について語った時にタダより怖いものはない的な事を言って頼ませないようにするユンヒの何気ない台詞と表情こそ過去の出来事の負の象徴。そしてユンヒへの元夫のある報告に対する祝福やユンヒとジュンの想いがわかる瞬間こそ本作描かれたいテーマであると分かる。
静謐の中に隠された愛を知りたい人におすすめの作品。
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