いい加減……関西弁で話せやっ! アホ!!

BULLETandARROW

学校への行きしな

「あぁ〜ほんまに今日あかんねんけど」

「あははは、こんな暑さでそんなことゆうてんのとか、弱すぎやろ、あほやん」

「うっさいな〜あぁ、もう、この日傘がさらぴんちゃうからやわ、絶対……知らんけど」

「知らんってww」

「知らんけど、の使い方くらい知ってるやろ」

「いや、そら知ってるけど、ほな、なんでそんなもんこうてきたんよ」

「アカリちゃうし、買ってきたの」

「なんぼやったん、それ」

「知らん。ママが勝手にかってきたんやし、中古で」

「そんな、買ってきてもらったのに、そんなことゆうたらあかんやん、アカリバチ当たんで」

「こんなんで別にバチ当たらんわ、うっさいの、コウジは」

「はいはい」

「これかばんになおして」

「え? もう使わんの? その。中古でも、えらい性能いいやつ」

「だってさしてても意味ないもん、暑っつい、家帰ったらほるわ」

「せっかく、お母さんが買ってきてくれたのに」

「もうコウジ、うるさい」

「うるさいうるさいってうっさいのはアカリやろ」

「……もうはよして。あ、それと行きしな、コンビニ寄っていい?」

「あはは、はいはい、注文多いな、ほんま。別にええけど」

「うち、今生理やからイライラしてんの」

「おーそれは怖いわ、丁重に扱わな、マイプリンセス」

「ナメてるやろ」

「ナメてないよー」

「棒やし。ほな、丁重に扱ってな? プリンス? てかさぁ、昨日足ぐねったん痛い〜」

「あぁ、体育の授業で?」

「めばちこもできてんけど」

「あはは、不運続きやな、はよ寝やんからや」

「おもんないねんけど、笑い事ちゃうねんで。お前やっぱナメてるやろ」

「ナメてないよー。ほら、はよ行こ、学校遅れんで」

「いらちは嫌われる~ってゆってたで、誰かが」

「お前がコンビニ寄るゆーたからやろ」

「……せやったわ」

「なぁ、聞いて。標準語ってモテんねんて。昨日テレビでやってた」

「へぇ〜それで?」

「いや、それだけ」

「なんやねん」


関西圏で生まれた関西色の強い俺達。でもたまに標準語が垣間見える俺達。生理とか性事情とか黒歴史とかなんでも話せる幼馴染の俺達。ちょっとくらいの口喧嘩ならすぐ仲直りする仲良しな幼馴染の俺達。


せやけどさぁ、俺、今日から完全標準語にしようと思ってんねん。

だって昨日、標準語はモテるってテレビで言ってたから!!!


アカリのこと、俺めっちゃ好きやからさ……あ、ちゃう、

俺、凄く、アカリちゃんのことが好きだからさ?

なんか、「さ」と、「ちゃん」つけてもうてんけど。

あぁ、だから! とりあえず、さっきは癖っていうかつい、関西弁でてもうたけど、今もやけど……! 俺は今から標準語頑張る!!! 心ん中は関西弁やけどな!

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