第36話 ホワイトラブ・2
「いやぁ、ほんとに美味しかったね」
「でしょ! ちょっとお店は古いけど味は保証するわ。あそこは穴場だと思うよ」
学生時代はこの地で過ごしていたという、みーちゃんのお勧めだから間違いない。
美味しいラーメンを堪能して帰ってきた。
「お腹いっぱい、もう入らない」
「そう言いながら、コンビニでアイス買ってなかった?」
「それは別腹。みーちゃんは買わなかったの? え、もしかして私が太ったって言ったの気にしてるとか?」
「別にそんなんじゃないからぁ、さぁ、さっさとお風呂入っちゃいな」
「みーちゃん、お先にどうぞ。私ちょっとSNS巡りするから」
「ん、じゃ明日行きたいところも探しておいて」
「はぁい」
みーちゃんが出た後に、私も入る。
「ふふふ」
備え付けの浴衣は動きにくいので、Tシャツと短パンに着替えた。髪にはそのままタオルを巻いて、手にはアイスを持って。
「お風呂上がりのアイス、最高」
みーちゃんに聞こえるように言うと、物欲しそうにこちらを見つめる。
「一口あげようか?」
大きなベッドに腰掛けている、みーちゃんに近づく。
「ん、いいや」
「まじ? 要らないの?」
「うん」
そんなに気にすることないのになぁと思いながら、隣に座って食べていると。
「それより」と顔を近づけてくる。
「ふぇ」思わず顔を背ける。
「え?」キスを拒否られたのが解せないって顔だ。
「嫌……なの?」
わかりやすく落ち込んでいる。
「だって、キスしたら我慢出来なくなるもん」
「我慢なんて、しなくてもよくない?」
「えっちしないって言ったの、みーちゃんだよ」
「そんなこと……言った? か」
またシュンってなってる。
しょうがないな。
「はい、あーん」
最後の一口を食べさせてあげた。
素直に食べて、可愛いなって見惚れてたら、いきなり口を塞がれた。
ほんのり甘いキス。
「ん……ちょっと、みーちゃん」
キスされながら、押し倒されて異を唱える。
「私が優柔不断なの知ってるでしょ? 決めたことなんて簡単に覆すんだから」
「そこ、威張るとこ?」
「ぶれぶれなんだから」
ふざけてるのかと思ったら、割と真面目に言ってて笑った。可愛すぎる。愛おしすぎる。
「みーちゃん、好き」
私からもキスを返す。
軽めのキスから徐々に深くなっていく。みーちゃんの舌が入ってくる。迎え入れる、絡める。久しぶりの感覚に息継ぎがおろそかになり、頭がボーっとする。
「雫の言うとおり、我慢出来なくなるね」
そう言って、まずは頭のタオルを取り、Tシャツを脱がしにかかる。
「みーちゃん電気消しーー」
「いや」
は?
「ちゃんと雫を見たいから」
短パンに手をかける。
「じゃ、みーちゃんも脱いでよ。私だって見たいもん」
一瞬手が止まったが、覚悟を決めたのか「わかった」と言い、短パンとショーツまで一気に引き下げた。それから自分の服は自分で颯爽と脱ぎ捨てた。
「きれい」
誰かに、みーちゃんのどこが好きかって聞かれたら、迷わず「身体」って答えるだろう。
「真っ赤な顔してそんな事言わないで……照れる」
両腕を広げると、ゆっくりと覆い被さり肌が合う。
みーちゃんの匂い、心地いい。
首すじに、みーちゃんの舌を感じ思わず頭をギュッてした。みーちゃんの髪はサラサラだ。
「んん……」
優しく脇腹当たりを撫でられ、声が漏れる。
手は上へ移動し、頭は下へ、チュッチュっと口づけながら移動していく。
私の胸を下から揉み上げながら、乳首を口に含まれる。
「ひゃっ」
優しく舐められたり、吸われてみたり、カリッと刺激されたり。かなり執拗になぶられて、気持ちが昂っていく。
「みーちゃ……きもちいぃ」
「雫、その顔好き」
やらしいよ、なんて言うから恥ずかしさで思考が止まる。
みーちゃんは、器用に足の間に太ももを滑り込ませ擦り上げる。
「うっ、はぁぁ」
我慢出来ずに声をあげる。
「もう濡れてるね」
チュッとリップ音を立てキスをして「かわいい」と呟く。
やられっぱなしも悔しいので、みーちゃんの秘部に手を添えると。
「みーちゃんだって濡れてる?」
「ん……私は最初から濡れてる」
そんな妖艶な顔、反則だよ。
もっと触ろうとしたけれど、みーちゃんに止められて「今日は私が」と言う。
これでもかというくらいの優しい愛撫で、私を高みへ誘ってくれるーーはずが。
「みーちゃん、もう、やっ」
もう少しでってところで、手を止める。焦らされる。何度も何度も。
「なんでぇ」
「だって、もったいないでしょ。ずっとこのまま触れ合っていたい」
そしてまた、下腹部に顔を埋める。
「あっ……はぁん」
もう十分敏感になってるそこに、生温かい舌触りで……感じる。
「やっ、やめないで……もっと……ほしい」
「お願い、みーちゃん、ください」
もう何度目かの、みーちゃんの指を私の中に受け入れ、懇願する。
「雫、いくよ」
「あぁ……みーちゃ」
絶頂を迎えたと同時に意識が飛んだ。
その瞬間、みーちゃんのキスが降ってきた、気がした。
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