第20話 100点だった答案

僕は嘘をつくことが嫌いだ。

だから、いつも正直生きようと思っている。

それがたとえ、勉強や成績だったとしても。

ある日、僕は初めて理科で100点を取った。

毎日のコツコツとした努力の賜物だと僕はそう思った。

けれども、もう一度見返してみると、一つの間違いを僕は見つけた。

選択問題でアのところが、本当はエだったのだ。

僕は少し迷ったけど、勇気を振り絞って先生にその箇所を見せて、100点のテストを98点にしてもらった。

先生は「うーむ、確かに、、」とだけ言って、訂正してから渡してくれた。

その時、誰かの声がした。

「うーわ、あいつ馬鹿だなぁ。言わなきゃよかったのに。」

・・何が、ダメなのだろうか?

僕はただ正直に言っただけだ。

正直に言って何が馬鹿なのだろう。

僕は無性に腹が立った。


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