第10話 歩行器に早く乗ったのはもしかして・・・

風呂から出てきた息子がパジャマも着ずにサッカーのエアシュートを何度も何度もキメている。


『熱心に練習してるじゃーん。』

と感心していると、ちょっと笑いながら小3の娘がこう言った。


『いち君(息子)、目をキラキラさせてやってるね。そんなに楽しいのかな?』

『サッカー教室でも頑張っているよ』

と、娘に言うと娘が驚いた。


『え?サッカー?今すっごく くだらない敵と戦っているよ。』


何の事だろうと思っていると今度は息子が、こう言った。

『見て見て~。当たってないのに これ 飛んで行くよ~。すごい?』


息子の足元を見ると、廊下の隅にたまっていた大きな『ホコリ』がコロコロと。

それをキックでアオるので、風呂から出たばかりの息子は すでに汗まみれ。


『ぎゃっ!もう一回風呂に入って~!』



その後、ホコリを掃除しながら思った。

『もしかして、イチが早くから歩行器に乗ったのは、このホコリのせい?ハイハイなんかホトンドしていなかったも・・・もしかして?』


ワタクシ、几帳面に1日3回も掃除機をかけていたと思っていたのに、案外綺麗になっていなかったのかも・・・と気が付いた。残念!

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